災害が起きた直後は、情報が断片的になりやすく、普段なら落ち着いてできる判断でも順番が入れ替わることがあります。ペットを守りたい気持ちが強いほど「探す・抱える・走る」などの行動に寄り、逆に人の安全確保や周囲の危険確認が後回しになる場面もありえます。
さらに、ペット対応は「決まりが1つ」ではない点が迷いの原因になりがちです。国の考え方(指針・ガイドライン)と、自治体の防災計画・条例・通知、そして避難所ごとの運用(受け入れ場所、受付手順、同室可否、衛生ルールなど)が重なり、現場で初めて分岐が増えることがあります。結果として「同行避難のつもりだったのに同室ではなかった」「受け入れ条件が想定と違った」といったズレが起きやすくなります。
このページの目的は、こうしたズレを前提に、発災直後から避難所到着後、在宅・車中避難までを“同じ型”で回せる状態に整えることです。判断の軸を「人命の安全」「一次情報」「ルール確認」「飼い主の管理」に寄せておくと、状況が変わっても手順の入れ替えが起きにくくなります。
また、SNSは役立つ場面がある一方で、更新日が不明な投稿や地域外の運用が混ざりやすい傾向があります。行動の根拠は公式情報に戻し、SNSは一次情報に辿り着く入口として扱うほうが、迷いを増やしにくい形になりやすいです。
最後に、避難所で揉めやすい論点(鳴き声、排泄、咬傷、逸走、支援物資、給水など)は、正しさの議論よりも「優先順位と分岐」を先に決めておくと現場対応が落ち着きやすくなります。準備段階でできること、現場で確認すること、相談先を分けておくと、判断が止まりにくくなります。
- まず結論:行動指針は「人命優先+一次情報+ルール確認+飼い主の管理」で回す
- 用語の整理:同行避難/同伴避難/在宅避難/車中避難(誤解のズレを消す)
- 国の指針(環境省ガイドライン)が示す“行動の骨格”
- 自治体(防災計画・条例・通知)が行動を変えるポイント
- 発災直後の行動指針:最初の30分〜半日(情報・安全確保・逸走防止・移動)
- 避難判断の分岐:避難所/在宅/車中(選び方の軸とリスク)
- 避難所到着後の行動指針:掲示→受付→担当者
- 停電・断水・暑さ寒さの行動指針(熱中症・低体温・給水・衛生)
- 停電・断水が起きたときの“最初の優先順位”
- 給水・停電下の“持ちこたえ方”を現実寄りにする
- 暑さの行動指針(熱中症の予防〜疑い時まで)
- 寒さの行動指針(低体温を“起こしにくくする”)
- 断水下の衛生:排泄物・臭い・感染症を“現場運用に合わせる”
- 車中避難の温度・給水:事故になりやすいポイントだけ先に潰す
まず結論:行動指針は「人命優先+一次情報+ルール確認+飼い主の管理」で回す

災害時のペット対応は、気持ちだけで動くと判断が散らばりやすくなります。迷いを減らすための軸は、次の4つに寄せると整理しやすくなります。
1) 人命優先:まず「安全が確保できる状態」を作る
最初に揃えたいのは、飼い主と周囲の人の安全です。倒れてくる物、ガラス、火気、余震、浸水、土砂などの危険が残っていると、ペットの確保に集中した結果、二次被害につながる可能性があります。
人の安全を先に置くと、ペットの守り方も現実的になります。たとえば「抱えて移動」より「キャリー/クレートに入れて両手を空ける」「短いリードで逸走を減らす」など、次の行動につながる形に整えやすくなります。
2) 一次情報:公式情報を根拠にし、SNSは入口に留める
災害時は情報量が増える一方で、地域差・時点差が混ざりやすい傾向があります。行動判断の根拠は、国や自治体、避難所運営からの発表に戻すほうが、ズレが起きにくくなります。
SNSは「避難所が開設されたらしい」「ペット受け入れがあるらしい」といった気づきの入口としては役立ちますが、投稿に更新日がなかったり、別地域の運用が混ざったりすることがあります。最終判断は、発表元と日時が確認できる情報に寄せると整理しやすくなります。
3) ルール確認:同じ“同行避難”でも運用が分かれる前提で動く
国の考え方は「同行避難」を基本に据える一方で、避難所では受け入れ場所や同室可否、受付手順、持ち物条件が異なる可能性があります。ここが曖昧なままだと、「着いたが入れない」「置き場所が決まらない」などで判断が止まりやすくなります。
確認は、到着後にいきなり交渉する形よりも、「掲示→受付→担当者」の順で、運用に合わせて淡々と揃えるほうが混乱が増えにくいです。たとえば、掲示に「ペットは屋外スペース」「受付で登録」「給水は持参分が優先」などが出ている場合、先に条件を前提として動けます。
4) 飼い主の管理:ペットの“管理責任”を行動に落とす
現場で揉めやすいのは、気持ちの問題というより「管理の実務」が抜けたときです。鳴き声、排泄、臭い、咬傷、逸走、アレルギーなどは、避難所側の都合だけでなく周囲の生活環境とも衝突しやすい論点です。
管理を具体化すると、行動がブレにくくなります。例としては次のような形です。
- 逸走防止:キャリー/クレート、迷子札、写真、予備リード
- 衛生:排泄物の回収、消臭、最低限の清掃手段
- 健康:給水、体温管理(暑さ寒さ)、持病や薬の情報整理
- 周囲配慮:鳴き声対策の工夫、咬傷リスクの低減(口輪の是非は状況次第)
この4軸で回すと、選択肢が増える状況でも「安全→情報→ルール→管理」の順に戻れるため、分岐が整理されやすくなります。
用語の整理:同行避難/同伴避難/在宅避難/車中避難(誤解のズレを消す)

災害時のペット対応で迷いが増える大きな理由の1つが、言葉の受け取り方のズレです。同じ言葉でも「国の考え方」「自治体の案内」「避難所の現場運用」で意味の置き方が変わることがあり、前提が噛み合わないまま行動すると混乱が起きやすくなります。
同行避難:いっしょに避難すること(同室の意味ではない)
同行避難は「ペットと一緒に避難所まで移動する」行動を指す場面が多い言葉です。ポイントは、避難所に到着したあとに「同じ部屋で過ごせる」ことまで含むとは限らない点です。
実際の運用では、ペットの居場所が屋外の指定場所や別室、ケージ・クレート内に限られる可能性があります。同行避難を「同室」と捉えてしまうと、到着後に条件が合わず判断が止まりやすくなります。
同伴避難:同じ空間で過ごせる状態を指す場合がある
同伴避難は、運用上「飼い主とペットが同じ空間で過ごせる」状態を指す文脈で使われることがあります。ただし、自治体や避難所によって用語の使い方が統一されていないこともあり、言葉だけで判断するとズレが出やすくなります。
同伴避難の可否は、避難所の規模、アレルギーや衛生面の配慮、動線、仕切りの有無などの条件で変わる可能性があります。現場では「同伴の可否」より先に、「受け入れ場所とルール(掲示や受付情報)」が示される流れになりやすい点も押さえておくと混乱が減りやすくなります。
在宅避難:自宅に留まる選択(避難しない、ではない)
在宅避難は、避難所へ移動せず自宅で過ごす選択を指します。ただし「何もしない」意味ではなく、危険が低い範囲で生活を維持するための判断と行動のセットになりやすいです。
在宅避難が成立しやすい条件としては、建物の安全性が保てる可能性、浸水・土砂・火災などの差し迫ったリスクが低い可能性、給水やトイレの見通し、暑さ寒さへの対策などが挙げられます。逆に、停電・断水が長引く見込みや周辺の危険が高い可能性がある場合は、避難所や車中など別の選択肢を比較する必要が出ることがあります。
車中避難:一時的な避難手段(リスク管理が前提)
車中避難は、避難所に入れない、同伴が難しい、在宅の安全が不安、といった事情で選ばれることがあります。一方で、熱中症や低体温、換気不足、脱水、トイレ問題などのリスクが重なりやすい手段でもあります。
ペットがいる場合は、車内温度の変化が大きい点、給水の管理、排泄物の処理、ストレスの蓄積が課題になりやすくなります。車中避難は「安全が保てる範囲での暫定策」として位置づけ、長期化しそうなときは別の避難先や支援の情報に接続できる状態を作っておくほうが判断がブレにくくなります。
用語のズレを埋めるための確認の持ち方
言葉そのものより、次の2点をセットで確認しておくとズレが減りやすくなります。
- 発表元:国・自治体・避難所運営のどこが示しているか
- 日時(更新日):同じ発表元でも時点で条件が変わる可能性がある
この2点が揃うと、「同行避難=同室」などの思い込みが入りにくくなり、行動指針の分岐(避難所/在宅/車中)を冷静に選びやすくなります。
国の指針(環境省ガイドライン)が示す“行動の骨格”

国の一次情報は「骨格」まで。細部は自治体と避難所運用で変わる
災害時のペット対応は、全国共通で通用する“型”がある一方で、実際の受け入れ方法は地域・施設・状況で揺れやすい。国(環境省)の資料は、その揺れを前提に「何を優先し、どこで線引きするか」という骨格を示している。
- 出典:環境省「ペットの災害対策」/掲載資料(例):『ペットを飼っている皆さまへ-災害時のペットとの同行避難について-(令和2年8月版)』
- 出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」/発行:平成30年3月
- 出典:環境省 報道発表「人とペットの災害対策ガイドラインの配布について」/発表日:2018年4月27日
- 出典:環境省 報道発表「災害への備えチェックリスト」の作成・配布と公表について/発表日:2021年3月29日
- 出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?(一般飼い主編)」/更新:平成30年10月3日
- 出典:環境省「『人とペットの災害対策ガイドライン』の改訂等に係る検討会」/設置・議事:令和7年10月29日〜
骨格①:最優先は「人命」→その次に「逸走させない形でのペット安全」
国の資料で繰り返し強調される前提は、発災直後は飼い主自身・家族の安全確保が先に来ること。その上で、ペットの安全確保は“平時の備え”が効く領域として位置づけられている。
- 発災直後に判断が割れやすいのは「助けに戻る/探し回る/無理な移動をする」タイプの行動。国の骨格は、危険を増やす動きよりも、逸走(脱走)を防ぐ・捕獲できる状態を作る方向へ寄せている(キャリー・ケージに入る訓練、基本的なしつけ等)。
- “自助が基本”という整理があり、支援を待つ前に飼い主側で回せる準備(備蓄、健康管理、情報確認)が行動指針の中心になる。
骨格②:「同行避難」を前提に“避難できる形”を作る(同室とは別の話)
国の用語運用では、災害時にペットを連れて避難する行動として「同行避難」を基本線に置く。一方で、避難所での居場所(同室可否など)は別レイヤーとして扱われ、自治体・避難所の運用に委ねられる。
- 「同行避難できるか」は事前に確認し、可能な場合は注意事項も自治体に確認する、という書きぶりがある。
- 飼い主向け資料は、平常時の備え(しつけ・健康管理・迷子対策・備蓄・情報収集)→災害発生時の行動(同行避難・避難中の飼養環境確保)という流れで整理されている。
骨格③:避難所は「自治体の指示+現場ルール」を守る前提で回す
国の資料は、避難所での混乱が起きやすい理由として「動物が苦手な人・アレルギー等への配慮」「運営ルールの遵守」を明確に置いている。
- 避難所は“ペット連れのための施設”ではなく、全体運営の中でルールが決まる。現場で揉めやすい論点(鳴き声、排泄物、逸走、咬傷、衛生、給水、支援物資の扱い)も、この前提に沿って「管理できる形に落とす」方向へ寄る。
- 自治体向けチェックリストは、危機管理部局と動物愛護管理部局の連携不足が混乱につながった事例を踏まえ、避難所受入れ・対応のチェックポイントを整理している(受入れの円滑化、重点項目の明確化)。
骨格④:国は「役割分担」と「時系列の枠」を示す(支援は“当てにしすぎない”設計)
環境省の報道発表では、ガイドラインは総説で役割(飼い主、自治体、地方獣医師会、民間、国など)を整理し、本編で平時〜発災後の流れに沿って「飼い主がとるべき行動」「自治体等が行う対策」を時系列で並べる構成だとされている。
- “誰が何を担当するか”が書かれている=“誰かがやってくれる”の保証ではない。行動指針は、支援が遅れても成立する範囲(自助で回る最小構成)を先に作り、支援は上乗せとして扱うほうが破綻しにくい。
骨格⑤:最新版は「更新日・発表日」で時点をそろえる
環境省は、能登半島地震での被災動物対応の検証等を踏まえてガイドライン改訂の検討会を設置しており、今後アップデートが進む前提が読み取れる。
そのため、行動指針の根拠として引用する際は、同じテーマでも資料ごとに“発行・更新の時点”が違う点を前提に置き、発表元と日付(発表日/更新日/版表記)をセットで扱うと判断がブレにくい。
自治体(防災計画・条例・通知)が行動を変えるポイント

国の指針は「同行避難を前提に、飼い主の管理責任で避難所ルールに合わせる」という骨格を示します。一方で、実際の動き方は自治体側の決め方で変わりやすく、同じ言葉でも手順や条件が揃わない可能性があります。環境省の整理でも、避難場所が同行避難に対応しているかを事前に自治体へ確認する位置づけになっています(発表元:環境省/ページ:ペットの災害対策)。
1) 「どこへ避難するか」が自治体で変わる(指定の違い・災害種別の違い)
避難先は、地震・津波・土砂・風水害など災害種別で適する場所が変わり、自治体側が指定緊急避難場所・指定避難所などを設けて運用する形になりやすいです。環境省の自治体向けチェックリストでも、緊急避難場所等での受入対応が前提として整理されています(発表元:環境省/資料:災害への備えチェックリスト「1.ペット同行避難の受入れ」)。
この違いがあるため、「近いから同じ避難所へ」よりも「自治体が指定している避難先」「災害種別で開く拠点」を先に揃えておくほうが、当日の迷いが増えにくくなります。
2) 「同行避難=同室」にならない運用が、自治体の案内で明確化されることがある
自治体の防災ページやガイドラインで、同行避難は“避難行動”であり同室飼育ではない、と明示されるケースがあります。たとえば横浜市は、同行避難を避難行動として定義し、避難所内で同室飼育する意味ではない点を明記しています(発表元:横浜市/更新日:2025年12月16日)。
言葉のズレを減らすには、自治体ページの更新日を見て「同室可否」ではなく「どこに設置されるか(別室・屋外・一時飼育場所など)」へ視点を寄せるほうが実務に近づきやすいです。
3) 避難所での手続きが自治体で変わる(掲示→受付→台帳→札、など)
避難所運用は現場任せに見えやすい一方、自治体のガイドラインで「掲示で周知」「登録台帳」「ケージ札」「管理簿」といった手順が定められている場合があります。西東京市の「ペットの避難受入に関するガイドライン」では、避難所内掲示による周知、飼い主による清掃・管理責任、登録台帳やケージ札等での管理などが示されています(発表元:西東京市/日付:2025年7月15日)。
この差があるため、到着後に慌てやすいポイントは「どこに行けば受付になるか」「登録はあるか」「札や台帳の運用があるか」といった“手順の有無”になりやすいです。
4) ルールの“厳しさ”が自治体で変わる(衛生・危害・逸走・トラブル時の扱い)
避難所は共同生活の場なので、衛生・危害防止・逸走防止が守れないと運用が崩れやすいです。自治体ガイドラインには、周知徹底や管理責任の明記に加えて、ルール違反や危害が大きい場合の対応に触れる内容が含まれることもあります(例:避難所からの退所通告の考え方等/発表元:西東京市/日付:2025年7月15日)。
ここが地域差として出やすいため、「守るべき項目は何か」「守れない場合の次善策(在宅・車中・別避難所・一時預け先など)をどう扱うか」を自治体の文書で先に確認しておくと、当日の衝突が増えにくくなります。
5) 自治体の“計画文書”が、備蓄・連携・場所設定まで動かす
自治体側は、避難所施設に応じて飼養場所を設定し、動線や居住スペースとの位置関係に配慮する、といった計画面の項目を持つことがあります。東京都のガイドラインでも、区市町村が同行・同伴避難のルール確認や飼養場所設定、資材確保などに触れています(発表元:東京都/資料:避難所避難者等への支援ガイドライン〈該当編〉)。
このレイヤーは当日いきなり変えにくい領域なので、飼い主側の行動指針では「場所・動線・受付」の前提が自治体計画に依存しうる、と割り切って確認工程を組み込むほうが現実に合いやすいです。
6) “条例・通知”は「地域の事情」を反映しやすい
動物の飼養に関するローカルルールは、地域の住宅事情・避難所の規模・アレルギー配慮・衛生設備などを反映しやすいです。自治体が出す通知・要領・受入ガイドラインは、同じ同行避難でも「想定する流れ(登録・掲示・清掃・相談先)」を具体にしやすく、結果として飼い主の行動が変わります(例:横浜市の案内/更新日:2025年12月16日、西東京市ガイドライン/日付:2025年7月15日)。
地域差が出る前提を置いた上で、差が出やすい論点を「自治体の文書で確認する項目」として持っておくと、当日に迷いが増えにくくなります。
- 受け入れ場所(屋外・別室・指定エリア)
- 受付と登録(台帳・札・管理簿の有無)
- 給水・支援物資(配布対象・優先順位・持参前提の範囲)
- 逸走・咬傷・鳴き声・排泄のルール(清掃責任・隔離・相談先)
発災直後の行動指針:最初の30分〜半日(情報・安全確保・逸走防止・移動)

発災直後は「危険が残っている」「情報が欠けている」「ペットがパニックになりやすい」が同時に起きやすく、順番を間違えると被害が増える可能性があります。国の骨格(人命優先・同行避難・避難所ルール順守)を前提に、最初の30分〜半日を“回しやすい順”に分解します。
最初の0〜10分:安全確認→逸走を防ぐ「形」を作る
最初に揃えたいのは、飼い主自身が動ける安全と、ペットが飛び出さない状態です。地震なら落下物やガラス、火気、余震、浸水や土砂の危険が重なる可能性があります。危険が高い場所で抱えて移動するよりも、短時間で逸走を防げる形を優先すると判断が止まりにくくなります。
- 人の安全を確保:頭上・足元・火気・ガラス・倒壊リスクを確認し、動ける導線を確保
- ペットを“管理できる形”へ:犬は短いリード+首輪の抜け確認、猫はキャリーへ、可能ならクレート/キャリーの扉を確実に固定
- 同居者がいる場合の分担:人の安全確認とペットの確保を同時に進め、探し回る時間を減らす
この段階では「完璧な準備」より「逸走しない・咬傷事故が起きにくい」状態を作ることが中心になります。
10〜30分:一次情報の入口を作る
次に必要なのは、避難が必要かどうかの判断材料です。情報が混ざりやすい時間帯ほど、発表元と日時が確認できる情報へ寄せるほうがブレにくくなります。
- 自治体の防災情報:避難指示・避難所開設・通行止め等(更新日時を確認)
- 避難所運用の情報:掲示・運営からの案内が出ているか(後述の到着後手順につながる)
- 通信障害の前提:電話がつながりにくい可能性があるため、短文で要点が読める入口を確保(公式サイト、自治体の防災SNS等)
SNSは「気づきの入口」にはなりますが、投稿だけを根拠に動くと地域差・時点差が混ざる可能性があるため、行動判断は一次情報に戻す形が取りやすいです(国の資料でも、平常時から情報確認を含む備えが前提として整理されています)。
30分〜2時間:避難の要否を分岐させる(避難所/在宅/車中)
ここからは「避難するか」「どこへ向かうか」「連れて行ける形か」を分岐させます。国の基本線は同行避難ですが、現場運用や安全条件で分岐が増える前提が現実に近くなります。
分岐の軸は、次の3点に寄せると迷いが増えにくいです。
- 人の安全が保てるか(建物の安全、浸水・土砂・火災のリスク)
- 生活維持が可能か(給水・トイレ・暑さ寒さ・薬・持病対応)
- ペットを管理できるか(逸走・咬傷・鳴き声・排泄物の扱い)
在宅が成立しそうでも、余震や二次災害のリスクが高い場合は早めに避難所へ寄せるほうが安全側になる可能性があります。車中避難は一時策として選ばれることがありますが、暑さ寒さ・換気・給水・衛生のリスクが重なりやすいため、長期化の見込みがあるときは別の選択肢を探す前提が必要になります。
2〜6時間:移動する場合の優先順位(逸走防止→連絡→持ち出し)
移動が必要になった場合、持ち出しは「多いほど安心」になりにくく、運べる量と管理のしやすさが優先されやすいです。国の資料でも、避難所での飼養管理や備え(キャリー・しつけ・備蓄)の重要性が整理されています。
優先順位の例(運用に合わせて増減)
- ペットを確実に管理できる状態(キャリー/クレート、短いリード、迷子札)
- 身元照合に必要な情報(ペットの写真、特徴、連絡先、既往歴・投薬情報)
- 最低限の衛生(排泄物回収、消臭、手指衛生)
- 給水と食事の最低ライン(水、器、フードの最小単位)
- 体温管理の最低ライン(暑さ寒さ対策、タオル等)
「支援物資が来るはず」と見込んで動くよりも、まずは数日単位で自助で回る構成を持つ考え方が崩れにくいです(支援は状況で遅れる可能性がある前提が置かれています)。
半日まで:迷子・脱走の“予防”を先に入れる(探し回る前に手続きを用意)
発災直後は脱走が起きやすく、探し回る行動が危険を増やす可能性があります。迷子対策は、発生してから頑張るよりも、予防として身元情報を揃えるほうが現実に合いやすいです。環境省資料でも、迷子対策を平常時の備えに含めています。
- 写真(全身・顔・特徴)、首輪・迷子札、マイクロチップ等の情報(ある場合)
- 連絡先の書き方(家族・代理連絡先など、つながりやすい番号を含める)
- 避難所到着後に照合できる形(後述の届出・掲示とつながる)
避難判断の分岐:避難所/在宅/車中(選び方の軸とリスク)

災害時の避難先は、「同行避難」という言葉だけでは決まりにくく、人の安全・自治体の避難情報・避難所運用・ペット管理の現実が揃ったところで分岐しやすくなります。環境省の整理では、まず飼い主自身(家族)の安全確保を前提に、避難が必要なときはペットと一緒に避難(同行避難)できるよう備えること、避難所では自治体の指示に従いルールを守ることが示されています。
出典:環境省「ペットの災害対策」/更新日:ページ上に明記なし(掲載内容参照)
出典:環境省「ペットを飼っている皆さまへ(令和2年8月作成)」/作成:2020年8月
先に置く前提:同行避難は「避難行動」、同室とは別の扱いになりうる
同じ「同行避難」でも、避難所で人とペットが同じスペースで過ごすこと(同伴避難)を意味しない、という整理が環境省資料に明記されています。現場で揉めやすい論点(同室可否など)は、このズレから起きやすいです。
出典:環境省「ペットを飼っている皆さまへ」/作成:2020年8月(令和2年8月作成)
分岐の軸は4つ(迷いを減らす並べ方)
避難所/在宅/車中のどれを選ぶかは、地域差が出る前提で、次の4軸に寄せると判断がブレにくくなります。
- 人の生命・安全が保てるか
建物の損傷、余震、浸水、土砂、火災など「居続けることが危険かどうか」で分岐しやすいです。環境省のチェックリストでも、災害種別ごとに安全な場所が指定され住民に周知される、という考え方が整理されています。
出典:環境省「災害への備えチェックリスト(令和3年3月)」/発行:2021年3月(令和3年3月) - 自治体の避難情報(開設・指示・通行)
避難指示、避難所開設状況、道路状況が揃うほど、避難所へ寄せやすくなります。情報が不足しているほど、いったん安全確保に寄せる判断になりやすいです(SNSは入口に留め、発表元・日時が確認できる情報へ戻すほうが混線しにくい)。 - 避難所の運用条件(受け入れスペース・受付手順・ルール)
避難所は共同生活の場なので、自治体が示す「飼養スペース」「受付・登録」「衛生・危害防止」などが分岐点になりやすいです。環境省資料では、避難所等で自治体の指示に従いルール遵守が求められる、と整理されています。
出典:環境省「ペットの災害対策」/更新日:ページ上に明記なし(掲載内容参照)
出典:環境省「災害への備えチェックリスト(令和3年3月)」/発行:2021年3月(令和3年3月) - 飼い主が“管理できる形”にできるか(逸走・咬傷・鳴き声・排泄)
避難所でも在宅でも、ペットの管理が崩れると事故やトラブルに繋がりやすいです。環境省は、キャリーやケージに慣らすこと、迷子にしないこと、所有明示などを備えとして示しています。
出典:環境省「ペットを飼っている皆さまへ」/作成:2020年8月(令和2年8月作成)
分岐チャート(避難所/在宅/車中の選び方の型)
見落としやすい順に並べた“型”です。状況により前後する可能性はあります。
A. 避難所へ寄せやすい条件
- 自宅に留まるリスク(倒壊・浸水・土砂・火災など)が高い
- 自治体が避難所開設や避難情報を出している
- ペットをキャリー/クレート等で管理でき、避難所ルールに合わせられる可能性がある
出典:環境省「ペットの災害対策」/更新日:ページ上に明記なし(避難所ルール遵守・同行避難の備え)
B. 在宅避難へ寄せやすい条件(成立しやすい前提)
- 建物の安全が保てる可能性がある(余震・二次災害の見込みも含めて)
- 給水・トイレ・暑さ寒さ対策など最低限の生活維持が見込める
- ペットの管理(逸走防止・近隣配慮・衛生)が回る
※在宅が成立していても、自治体の情報で危険が高いと判断される場合は分岐が変わる可能性があります。
C. 車中避難へ寄せやすい条件(“一時”として選ばれやすい)
- すぐに避難所へ入れない/避難所に向かう途中の待機が必要
- 自宅に留まる危険が高いが、移動の安全が確保しにくい
- ペットの管理はできるが、避難所運用の確認がまだ取れない
車中は暑さ寒さ・換気・給水・衛生が崩れやすく、長期化すると負担が増える可能性があるため、自治体情報や受け入れ状況が掴めた段階で次の分岐(避難所/別避難所/在宅)へ移りやすいです。
“迷いが出やすい場面”を先に潰すチェック項目
避難先を決めるときに、現場で止まりやすいポイントを「質問」に落とすと判断が進みやすくなります。
- 避難所の受け入れ形:同行避難は可能か/飼養場所はどこか(屋外・別室・指定エリア等)
- 受付の流れ:どこで受付・登録になるか/台帳や札はあるか
- 生活維持:水・トイレ・衛生・暑さ寒さはどの前提か(持参が基本なのか)
- 事故予防:逸走・咬傷・鳴き声・排泄の扱いはどうなっているか
出典:環境省「災害への備えチェックリスト(令和3年3月)」/発行:2021年3月(令和3年3月)
避難所到着後の行動指針:掲示→受付→担当者

避難所に着いてから混乱が増えやすいのは、「同行避難=同室」と受け取ってしまうズレや、受付手順・ペットの置き場所が分からず動線が詰まる場面です。環境省の整理でも、緊急避難場所等でペット同行避難が一定数発生する前提で、受入れ対応や避難所での対応ポイントをチェックリスト化しています(発表元:環境省/発行:令和3年3月)。
到着直後にやる順番は「掲示→受付→担当者」になりやすい
避難所は、運営側がまず掲示で動線・ルールを示し、受付で登録を行い、個別の例外や困りごとは担当者へつなぐ形になりやすいです。自治体マニュアルでも、ペットスペース確保→ペット専用受付→登録・台帳→ケージ名札といった流れが示されています(発表元:愛媛県/資料名:避難所におけるペット受入体制整備マニュアル/日付表記:PDF内の表紙等で要確認)。
- 掲示:ペットの飼養場所、受付場所、ルール、配布や給水の扱い、立入制限など
- 受付:人の登録+ペットの登録(台帳・番号・名札・ケージ札など)
- 担当者:同室可否、持病や投薬、吠え・咬傷リスク、ケージがない場合など“個別案件”の整理
掲示で最初に見るポイント(迷いを減らす見方)
掲示で拾いたいのは「どこに行けばよいか」と「何が前提か」です。チェックリストでも、指定緊急避難場所・指定避難所での受入れ対応を重視しています(発表元:環境省/発行:令和3年3月)。
掲示で拾う項目(見つかりやすい順)
- ペットの入口・動線(人の居住エリアと分離されている可能性)
- ペット受付の有無(「ペット専用」窓口が設置されるケースがある)
- 飼養場所(屋外・別室・指定エリアなど)
- ケージ/クレートの前提(原則ケージ内、ない場合の扱い等)
- 衛生(排泄物回収、消毒、ゴミの分別、清掃当番の考え方)
- 給水・支援物資(配布対象、時間、持参分優先など)
- 苦情やトラブル時の窓口(担当班・本部・保健衛生班等)
掲示に日付や更新時刻が付く場合、古い紙が残っている可能性もあるため、「最新掲示」がどれかを見分ける手がかりになります。
受付で起きやすい詰まりを減らす“登録の型”
受付で確認されやすいのは、身元照合と事故予防(逸走・咬傷)です。市の手引きでも、動物調査票(犬なら登録・狂犬病予防接種状況等、性格や飼育環境の確認)→飼育ルール説明→飼養スペース誘導→ケージにネームプレート貼付→台帳へ転記、という流れが書かれています(発表元:新城市/資料名:避難所におけるペット受け入れ検討の手引き/日付表記:PDF内の表紙等で要確認)。
受付で揃うと通りがよくなる情報(例)
- 飼い主:氏名、連絡先、同行者、避難元
- ペット:種別、特徴、写真、体調、性格(怖がり・吠えやすさ等のメモ)
- 犬の場合:登録の有無、狂犬病予防接種状況が確認できる情報(手帳等があれば)
- 管理:ケージ番号・名札・ネームプレート、保管場所、出入りルール
国の資料でも、平時から「ケージに慣らす」「迷子にしない」など、災害時に管理できる形を作ることが示されています(発表元:環境省/資料:ペットを飼っている皆さまへ/作成:令和2年8月)。
担当者へつなぐべき論点(揉める前に“優先順位”で伝える)
担当者に伝える内容は、「お願い」よりも「事故予防」と「代替案」を軸にすると整理されやすいです。環境省チェックリストでも、同行避難は“避難行動”であり、飼い主の安全確保が大前提で、自治体の支援体制整備が必要という整理があります(発表元:環境省/発行:令和3年3月)。
担当者に先に伝わりやすい順
- 安全に関わること:咬傷の不安、パニック、持病・投薬、発作の既往、重度ストレス
- 逸走・衛生:ケージがない/破損、排泄の頻度、清掃の見通し
- 生活維持:給水・給餌のタイミング、暑さ寒さへの対策が必要か
- 代替案:別スペース・別避難所・在宅/車中への切替が現実的か(状況次第)
確認テンプレ(掲示→受付→担当者)
その場で全部を覚えるのは難しくなりやすいので、質問は短く区切る形が使われやすいです。
A. 掲示で確認(Yes/Noで足りるもの)
- ペット受付はあるか/どこか
- ペットの飼養場所はどこか(屋外・別室・指定エリア等)
- 立入できる時間帯や制限はあるか
- 給水・支援物資の扱いに掲示があるか(時間・対象)
B. 受付で確認(登録と動線)
- ペット登録に必要な紙はどれか(登録票・台帳等)
- ケージ札/番号の運用があるか(名札貼付、半券等)
- 飼養スペースへ案内される流れか(人の受付と順番が分かれるか)
C. 担当者で確認(揉めやすい論点を“管理”に落とす)
- 吠え・咬傷リスクがある場合の配置や動線の配慮は可能か
- 排泄物の回収・ゴミの出し方(分別・置き場・消臭の扱い)
- 給水の優先順位(持参分が基本か、補給方法があるか)
- ケージが用意できない場合の代替(係留の可否、周囲配慮の条件)
停電・断水・暑さ寒さの行動指針(熱中症・低体温・給水・衛生)

停電・断水が起きると、「温度管理」「給水」「衛生」が同時に崩れやすくなります。避難所でも在宅でも車中でも、迷いが出やすいのは“やることが増える”より、“優先順位が見えなくなる”ためです。
この章は、体調悪化とトラブルを減らすために「何から確認し、どこまで整えるか」を優先順位で回せる形に整えます。
出典(一次情報)
- 出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」/発行:平成30年9月
- 出典:環境省「ペットも守ろう!防災対策」/発行:平成29年9月
- 出典:環境省「防ごう!ペットの熱中症」(報道発表)/発表日:2025年6月20日
- 出典:環境省「ペットを車内に残さないで!」(報道発表)/発表日:2021年5月21日
停電・断水が起きたときの“最初の優先順位”
停電・断水の直後は、「いつ復旧するか」「どこで給水できるか」が不明になりやすく、SNSの断片情報も混ざりがちです。行動の軸は、次の順で揃えるとブレが減ります。
① 体温(暑さ寒さ)を先に“事故化”させない
- 暑い時期は、屋内でも車内でも温度が上がりやすく、短時間のつもりが長引くことがあります(通信障害・渋滞・受付待ちなど)。
- 寒い時期は、濡れやすい状況(雨・雪・結露)や床面の冷え、換気のための開放で体温が落ちやすくなることがあります。
「温度が厳しい場所に長く留まらない」判断を先に置くと、後の給水・衛生・受付確認が現実的になります。
② 水(給水)を“人→ペット→衛生”で割り当てる
断水時は「飲水」「食事」「清拭(体を拭く)」「排泄物処理」「手洗い代替」が一気に必要になります。
備蓄の考え方として、ペットフード・水は少なくとも5日分(できれば7日分以上)が目安として示されています。出典:環境省/発行:平成30年9月
③ 衛生(排泄・臭い・感染症)を“争点化”させない
避難所は掲示・運営ルールが優先されやすく、在宅でも車中でも「臭い」「汚れ」「鳴き声」「他者との距離感」がトラブルの入口になります。
備蓄例として、ウェットタオルや清浄綿、ビニール袋(排泄物処理など多用途)が挙げられています。出典:環境省/発行:平成30年9月
給水・停電下の“持ちこたえ方”を現実寄りにする
支援物資は初日から十分に届くとは限らず、数日単位でタイムラグが出る想定が示されています(例:支援物資が届くまで5日程度かかる場合)。出典:環境省/発行:平成30年9月
この前提に合わせると、行動は次のように組みやすくなります。
在宅・車中・避難所共通の確認リスト(抜粋)
- 公式情報の入口を固定:自治体の防災サイト/防災無線/避難所の掲示(更新日・発表元が明確なもの)
- 給水の動線:給水場所/時間帯/容器の条件(持参容器が必要な場合もある)
- 配布の単位:世帯単位・人単位・ペット分の扱い(避難所運用で変わりうる)
- 連絡先:避難所担当(受付・運営)/自治体窓口/動物病院・獣医師会(体調不良時)
暑さの行動指針(熱中症の予防〜疑い時まで)
暑さは「停電で冷房が止まる」「車内が急に高温になる」「地面の熱が強い」など、災害特有の状況でリスクが上がりやすくなります。犬猫は体高が低く地面の熱を受けやすい点などが注意点として示されています。出典:環境省/発表日:2025年6月20日
予防の優先順位(考え方)
- ① 居場所の選び直し:直射日光・こもる場所・車内待機が長引く状況は避けた方がよい場合がある
- ② 水(飲水)の確保:十分な水を用意することが必要とされています。出典:環境省/発表日:2025年6月20日
- ③ 行動時間の調整:暑い時間帯の移動や散歩はリスクが上がりやすい、とされています。出典:環境省/発表日:2025年6月20日
- ④ 車中の扱い:冷房の効かない車内は短時間でも高温になり危険性があるため、車内に残さない注意喚起が出ています。出典:環境省/発表日:2021年5月21日
熱中症が疑われるときの“行動の型”
症状の例として「体が異常に熱い/息が荒い/舌が異常に赤い/意識がない」などが挙げられ、対応として「涼しい場所へ移動」「体に水をかけて冷やす(重点的に冷やす部位)」が示されています。出典:環境省「ペットも守ろう!防災対策」/発行:平成29年9月
また、体温が下がっても障害が残る可能性があるため、動物病院での確認が必要になりうる旨も示されています。出典:同上
寒さの行動指針(低体温を“起こしにくくする”)
寒さは、避難所での床冷え・換気・濡れた被毛の乾きにくさなどで体温が下がりやすくなることがあります。
応急処置の文脈では、冷却時に低体温にならないよう注意が示されています。出典:環境省「ペットも守ろう!防災対策」/発行:平成29年9月
低体温を避けるための“優先順位”
- ① 濡れ・風・冷たい床から距離を取る:体が冷えやすい条件を先に減らす
- ② 乾かす/包む/断熱する:タオル等の備品は多用途として備蓄例に含まれています。出典:環境省/発行:平成30年9月
- ③ 反応・呼吸・震えなどを観察し、必要なら相談先へ:避難生活では体調が崩れやすいため、異常を感じた場合に早めの受診・相談が推奨されています。出典:環境省「ペットの健康管理と応急処置」/発行:平成29年9月
断水下の衛生:排泄物・臭い・感染症を“現場運用に合わせる”
避難所でも在宅でも車中でも、衛生は「受け入れ」「同伴避難の可否」「分離スペース」「掲示ルール」に直結しやすい論点です。現場で揉める前に、行動を“型”にしておくと強いです。
衛生の行動テンプレ(状況に合わせて調整)
- 排泄物:回収→密閉→指定の廃棄方法へ(避難所は掲示・担当者確認が前提)
- 体の清拭:ウェットタオルや清浄綿は目・耳の掃除など多用途として挙げられています。出典:環境省/発行:平成30年9月
- 臭い・毛:タオル・ブラシ等の備蓄例があり、周囲への配慮と体調管理の両方に関係します。出典:環境省/発行:平成30年9月
- 感染症の考え方:避難所には多くの動物が集まり、非常時は衛生・栄養・ストレスで免疫が下がる可能性があるため、日頃からノミ・ダニ等の予防や感染症予防が重要とされています。出典:環境省「ペットの健康管理と応急処置」/発行:平成29年9月
車中避難の温度・給水:事故になりやすいポイントだけ先に潰す
車中は「情報待ち」「渋滞」「避難所の混雑」で滞在が伸びやすく、温度が急変しやすい環境です。
環境省は、冷房の効いていない車内が短時間で高温になり危険であるとして注意喚起しています(置き去りの回避)。出典:環境省/発表日:2021年5月21日
また、車の中で飼養する場合の留意点として「車内温度に注意」「十分な飲み水の用意」が示されています。出典:環境省/発行:平成30年9月
迷子・脱走が起きた時の行動指針(届出先・照合・掲示/更新日)

災害時の迷子・脱走は「探す」だけでなく、「届出→照合→返還」までの流れを止めないことが重要になりやすい。現場の混乱や通信障害がある前提で、優先順位で動ける形に整理する。
まず優先順位:二次被害を増やさない→“照合ルート”を開く
迷子・脱走が起きた直後は、次の順で動くと判断がブレにくい。
- ① 人の安全確保(移動・倒壊・余震・津波等のリスク確認)
ペットの追跡が危険区域に誘導する可能性があるため、危険が高い場合は追跡の形を変える(安全域からの呼びかけ、捕獲器・協力依頼、行政窓口への届出先行など)。 - ② 逸走の拡大防止(出入口・ケージ・キャリー・リード周りの再点検)
“同時多発”が起きやすい場面なので、ほかの個体・家族の安全も含めて再確認する。 - ③ 届出を優先し、照合ルートを開く(自治体・交番/警察・動物病院)
環境省の収容動物検索情報サイトでも、迷子になった地域の保健所・動物管理センター・交番・動物病院へ連絡する案内がある。出典:環境省「迷子にさせてしまったら」/更新日:ページ内に明記なし(閲覧時点で確認)。
届出先の“基本セット”と、地域差が出るポイント
届出先の基本セット(地域名が違っても役割は近い)
- 自治体の動物担当窓口(例:動物愛護センター、保健所、環境衛生課、動物管理センター等)
- 交番/警察署(拾得物・遺失物の窓口になる場合がある)
- 動物病院(健康確認に加え、身元照合の起点になりやすい)
具体例として、那覇市は「犬猫、その他動物(鳥やカメなど)がいなくなったとき」に那覇市環境衛生課と管轄警察署へ連絡する案内を掲載している。出典:那覇市「犬猫の収容・保護情報」/更新日:令和8年1月14日。
地域差が出やすいポイント(断定せず“確認項目”として持つ)
- 収容・保護情報の掲載場所が「市」「県」「共同サイト」などに分かれることがある
- 避難所側で「保護動物の受付」「掲示」「一時預かり」の運用有無が変わることがある
- 犬猫中心の運用になりやすく、動物種で引継ぎ範囲が異なる可能性がある(自治体ごとの案内で確認)
環境省は、収容動物情報を掲載している自治体サイトへのリンク一覧をまとめている。出典:環境省「収容動物の情報を掲載している自治体リンク先一覧」/更新日:ページ内に明記なし(閲覧時点で確認)。
連絡の“テンプレ”:伝える情報を先に固める
通信が不安定な状況では、短時間で要点を伝えられる型があると強い。電話・窓口・掲示のどれでも使えるよう、最低限は次を揃える。
(A)基本情報
- いなくなった(最後に確認した)日時/場所
- 動物種・性別・年齢目安・体格
- 毛色・柄・特徴(首輪の色、傷、しっぽ、声、歩き方など)
- 直近の写真(全身+顔アップがあると照合しやすい)
- 連絡先(繋がりやすい番号、避難先の場所、代理連絡先)
(B)災害時に追加で聞かれやすい要素
- パニック時の行動(人に近づく/隠れる/咬む可能性など)
- 持病・投薬の有無(緊急度の判断材料になりやすい)
- 首輪・ハーネス・リードの種類(抜けやすさの見立てに役立つ)
照合の進め方:検索→問い合わせ→更新の繰り返し(更新日を見落とさない)
災害時は情報が追いつかず、掲載が遅れたり、逆に返還済みでも掲載が残る可能性があります。掲載の有無だけで結論を出さず、更新のタイミングと電話確認をセットにするとブレにくい。
- 環境省の収容動物検索情報サイト:自治体の掲載ページへつなぐ入口として使う(更新日・対象地域の確認)。
- 自治体ページ(市・県):更新日と掲載条件(閉庁日の更新有無など)を確認し、該当がなくても電話で照合する
- 警察(交番/警察署):遺失物としての照合、保護情報の有無を確認
- 動物病院:保護個体の情報が集まることがあるため、近隣へ問い合わせ
掲示・周知:個人情報を出しすぎず、照合につながる形にする
環境省の案内でも、ポスター・チラシ配布、新聞の広報、インターネット掲示板等の活用が挙げられている。出典:環境省「迷子にさせてしまったら」/更新日:ページ内に明記なし(閲覧時点で確認)。
掲示は「連絡が取れる」ことが最優先になりやすい。住所など過度な個人情報は避け、連絡先(代理連絡先含む)と識別できる特徴に寄せるほうが安全側になりやすい。
現場で揉めやすい論点の行動指針(鳴き声・排泄・咬傷・支援物資)

揉めやすい理由:避難所は「多様な事情が同居する場所」になりやすい
避難所には、動物が苦手な人・アレルギーがある人・乳幼児や高齢者など、さまざまな事情を抱えた人が集まる可能性があります。そのため、ペット側に悪意がなくても「鳴き声・臭い・毛・接触」が生活ストレスやトラブルに繋がりやすくなります。
国の指針でも、災害時は「他人の迷惑にならない状況の確保」と「ペット自身の健康と安全」を同時に考える必要がある前提が示されています。出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」/発行:平成30年3月。
次の内容:揉めやすい論点を、優先順位で並べ替える基準を整理します。
優先順位の置き方:揉めたときほど「判断の軸」を固定する
現場で迷いが出やすい論点は、次の順に並べると判断がブレにくくなります。
- 人の安全(咬傷・逸走・転倒などの事故回避)
- 衛生(排泄物・臭い・毛・消毒・ゴミ)
- 運営動線(受付・給水・炊き出し・物資配布の妨げ回避)
- 生活継続(睡眠・静けさ・ストレス軽減)
この順は、「正しさ」ではなく“現場が回る順番”として扱うと運用が安定します(地域や避難所の条件で例外が出る前提)。
次の内容:まずは鳴き声(=苦情になりやすい)を、事故防止の観点で整理します。
鳴き声・ストレス:静けさより「事故・逸走の予防」が優先になりやすい
鳴き声対応は「黙らせる」よりも、事故や逸走に繋がる状況を減らすほうが、結果的に苦情も減りやすい傾向があります。
自治体の避難所ガイドライン例では、鳴き声や糞尿のにおいが、ペットを同行しない避難者の生活場所に届かない配置、動線を交差させないといった考え方が示されています。出典:西東京市「ペットの避難受入に関するガイドライン」/最終更新日:2025年7月16日。
行動の優先順位(現場向けの整理)
- 最優先:配置(距離・遮蔽・動線分離)
生活場所から離す/目隠しを増やす/人の往来が多い場所を避ける - 次:管理単位を小さくする
ケージ・キャリー中心にして逸走を防ぎ、刺激を減らす(運用上の理由で求められることがある) - その次:時間帯で負荷を分散
早朝・夜間の出入りを減らす/散歩・給餌の時間を飼い主間でずらす(できる範囲で)
次の内容:衛生(排泄・臭い・毛)の論点を、避難所運用に沿って整理します。
排泄物・臭い・毛:衛生は「ルールの明文化」で揉めにくくなる
衛生トラブルは、善意だけだと分担が崩れやすいので、ルールの明文化(掲示・当番・回収方法)が効きます。
避難所側の対応例では、飼養ルールの掲示、情報共有、受入場所の清掃や管理を飼い主側の責任として整理する形が見られます。出典:西東京市「ペットの避難受入に関するガイドライン」/最終更新日:2025年7月16日。
行動の優先順位(揉める前に決める項目)
- 排泄の場所:指定の有無/屋外か屋内か/動線(人の生活導線と交差しにくいか)
- 回収と廃棄:ゴミ袋の扱い/一時保管場所/回収タイミング(衛生上の優先度が高い)
- 清掃の分担:飼い主同士で当番を決める、担当者(代表)を置く
- 臭い・毛の対策:ケージ周りの敷物/毛の除去(衣服から落とす等)/消臭・換気(避難所条件により差)
次の内容:咬傷・飛びつきなど「事故」になりやすい接触リスクを整理します。
咬傷・飛びつき:接触機会を減らすと、苦情も事故も減りやすい
咬傷は一度起きると、避難所内の受け入れ判断や配置が大きく揺れやすく、結果として飼い主側も追い詰められやすくなります。
自治体の運用例では、ペットスペースを部外者が立ち入りにくい場所に置き、接触による咬傷事故を防ぐといった整理が見られます。出典:利府町「避難所における生活について」/掲載日:2025年10月28日。
行動の優先順位
- 最優先:スペースと動線
人が通る場所・子どもが集まりやすい場所を避ける(避難所の指示が軸) - 次:管理方法(接触を前提にしない)
リードを短く・ケージ中心/声かけや触れ合いを“控える運用”に寄せる(安全側に倒す) - 事故が起きた後:報告の手順を一本化
避難所運営(受付・担当者)へ共有 → 必要に応じて医療・保健衛生側へ(自治体差が出るため担当者確認が前提)
次の内容:支援物資・給水は「人の支援導線」とぶつかりやすいので、優先順位で整理します。
支援物資・給水:ペットの扱いは「人の支援導線を止めない」が軸になりやすい
支援物資や給水は、人命に直結する支援(飲料水・食事・医療)と近接しやすく、混乱が起きやすい領域です。自治体資料の例では、ペットスペースの位置として「給水・炊き出し・車両動線から離す」考え方が示されています。出典:利府町「避難所における生活について」/掲載日:2025年10月28日。
行動の優先順位
- 最優先:配布・給水のルール確認(掲示→受付→担当者)
ペット分の配布があるか/ある場合の条件(対象・量・時間)/受け取り窓口 - 次:自己備蓄で“最低限”をつなぐ前提
国の指針でも、飼い主側の備蓄や準備が位置づけられています。出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」/発行:平成30年3月。 - その次:飼い主同士の共助で不足を埋める
物資の偏りを共有して調整する(運用は避難所の方針に従う)
また、自治体向けには避難所受入・対応のチェックリストが公表されており、現場での整理に活用される前提があります。出典:環境省 報道発表「災害への備えチェックリスト」/発表日:2021年3月29日。
次の内容:最後に、飼い主同士で回す「最小の役割分担テンプレ」をまとめます。
飼い主同士で回す「共助」ミニテンプレ(現場で崩れにくい形)
避難所運用の負荷が高いときほど、飼い主側で“窓口”があるだけで混乱が減りやすくなります。
- 代表(連絡係):避難所担当者との連絡を一本化
- 衛生(清掃係):排泄物・消毒・ゴミの一時置き場の管理
- 安全(接触管理係):立ち入りの調整、逸走・咬傷の予防ルール共有
- 情報(掲示係):飼養ルール・当番・困りごとを見える化(紙が強い)
※この運用は、避難所の指示・掲示と矛盾しない範囲で寄せていく形が扱いやすいです。
デマ回避:SNSの扱い方(一次情報に戻す型/更新日欠落の見抜き)

災害時は情報が不足し、不安も強まりやすい一方で、SNSや動画投稿などで偽・誤情報が混ざりやすい状況になります。公的機関の整理でも、災害時の偽・誤情報は救命・救助や復旧の妨げになり得るため、拡散前に発信元・作成時期・一次情報を確認する姿勢が重要とされています。
出典:内閣府 防災情報のページ(広報誌「ぼうさい」第109号/総務省寄稿)/掲載ページに更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)
SNSの位置づけ:判断の根拠ではなく「一次情報へ戻る入口」
SNSは、避難所の混雑、道路の通行止め、給水の列の状況など“現地の気づき”に触れやすい一方で、地域差や時点差、切り取りで意味が変わる投稿も混ざります。行動判断は、自治体・気象庁などの公的情報や、避難所の掲示・運営案内に寄せていくほうが混線しにくいです。
出典:内閣府 防災情報のページ(発信元確認・一次情報確認・古い情報への注意)/掲載ページに更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)
一次情報に戻す「3点セット」(発表元・更新日・適用範囲)
SNSで見かけた情報を、行動に使える形へ落とすときは、次の3点が揃うほど扱いやすくなります。
- 発表元:自治体、気象庁、消防・警察、避難所運営など(個人アカウントや転載は根拠になりにくい)
- 更新日(または発表日時):同じ内容でも時間で前提が変わる可能性がある
- 適用範囲:どの市町村・どの避難所・どの地区の話か(県内でも差が出ることがある)
この3点が欠ける投稿は、真偽がつかないだけでなく「別の地域のルールを持ち込む」形になりやすいです。
出典:内閣府 防災情報のページ(発信元・作成時期・一次情報の確認)/掲載ページに更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)
更新日が欠ける情報の“見抜きポイント”(現場で迷いを減らす)
更新日がない投稿は、内容が正しくても「今の状況に合わない」可能性が残ります。迷いが出やすいパターンは次の通りです。
- スクショ(掲示・メール・LINE)だけが回ってくる:掲示は貼り替えや追加が起きやすい
- 「◯◯避難所はペット同室OK」など断定が強い:運用は現場判断で変わり得る
- 寄付・募金の誘導(QRコード・短縮URL):災害時には不確実な支援情報が拡散した例が紹介されています
出典:内閣府 防災情報のページ(令和6年能登半島地震での不確かな情報の拡散例)/掲載ページに更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)
典型的なデマの型(ペット防災と相性が悪いもの)
災害時の情報の中でも、特に“行動を誤らせやすい”型があります。
「日時を特定した予知・予測」
地震に関しては、日時を特定した予知情報はデマと考えられる旨が、気象庁の説明に明記されています。災害時に流れる強い断定は、一次情報に戻して整理したほうが安全側に寄りやすいです。
出典:気象庁「大地震後の地震活動(余震等)について」/掲載ページに更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)
「公的機関の名を借りた“避難所ルール”の断定」
「受け入れ不可」「同室OK」などは避難所の運用・設備・人数で変わる可能性があるため、掲示→受付→担当者の順で確認した方が現実に合いやすいです(SNSの投稿だけで結論にしない形)。
「支援物資・給水の条件が断片的」
配布対象や時間は更新されやすく、投稿が正しくても“前の条件”が残っている可能性があります。発表元と発表時刻が付いた案内へ寄せるほうが混乱が増えにくいです。
SNSを使うときの“戻り道”テンプレ(コピペ用)
- 発表元:〔自治体名/避難所運営/気象庁など〕
- 更新日(発表日時):〔YYYY年MM月DD日 HH:MM〕
- 適用範囲:〔市町村/地区/避難所名〕
- 自分の行動に関係する点:〔避難所開設/受け入れ条件/給水場所/通行止め等〕
- 一次情報の所在:〔公式サイト/掲示/報道発表/運営アナウンス〕
この形に落とせない情報は、行動判断の根拠にしないほうが扱いやすいです。
出典:内閣府 防災情報のページ(一次情報確認・発信元確認・古い情報への注意)/掲載ページに更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)
よくあるQ&A(同室可否、断られたら、証明書、留守番の線引き等)
Q1. 「同行避難」=避難所で同室、という理解で合っている?
同行避難は「避難所まで一緒に避難する“避難行動”」を指し、避難所内で人とペットが同じスペースで過ごすこと(同伴避難)と同義ではない、と環境省資料で明記されています。
受け入れ方は避難所ごとの運用差が出やすく、同室可否は“現地の掲示・受付案内”で確認する流れが現実に合いやすいです。
出典:環境省「ペットを飼っている皆さまへ—災害時のペットとの同行避難について—」/作成:令和2年8月。
次の内容:受け入れを断られた場合に、混乱しにくい分岐を整理します。
Q2. 避難所で受け入れを断られたら、どう動くのが現実的?
大規模災害では、避難所に全員が収容できない可能性や、自宅が安全なら在宅避難が最良の手段になる場合がある旨が、環境省の自治体向け事務連絡でも触れられています。
そのため「断られた=行き場がない」と単純化せず、次の順で“現場の判断”へ寄せる形がブレにくいです。
- ① まず受付(運営)に確認:ペットスペースの有無、待機場所、別動線、代替先の案内があるか
- ② 次に自治体の案内へ接続:ペット受け入れ可能な避難所が一律ではない前提を置く
- ③ 代替の避難先を検討:自宅の安全確認が取れる場合の在宅、車中、親戚知人など(避難生活の長期化も視野)
出典:環境省 事務連絡/発出日:令和2年6月8日。
出典:那覇市「ペットとの防災対策について」/更新日:2025年12月15日。
次の内容:「同室不可」と言われた場面で、揉めにくい受け止め方を整理します。
Q3. 「同室は難しい」と言われた。同行避難の意味がなくなる?
同行避難は“同室の保証”ではなく、避難が必要な状況で人とペット双方の被害を避けるための避難行動として整理されています。
避難所の共同生活では、アレルギーや動物が苦手な人への配慮が必要になるため、ペットの飼育場所を人の居住スペースと分ける運用が基本になる、と自治体の案内でも示されています。
出典:環境省「災害への備えチェックリスト(自治体向け)」全体版PDF(同行避難の定義)/掲載ページ:環境省。
出典:千葉市「ペットの災害対策について」/更新日:2025年4月1日。
次の内容:受付で聞かれやすい「証明書・健康情報」まわりを整理します。
Q4. 避難所で「証明書(ワクチン・登録)」を求められることはある?
一律の必須条件として断定はしにくいものの、避難所では感染症や咬傷事故の懸念が上がりやすく、健康情報を把握できる形が役に立つ場面があります。
また、犬は鑑札・注射済票が「登録犬/狂犬病予防注射を受けた犬であることの証明標識」と説明されています。
出典:環境省ポスター(健康面のチェック・ワクチン等、所有者明示)/作成:令和2年8月。
出典:厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」/掲載ページ(更新日の明記なし、閲覧日:2026年1月23日)。
出典:松江市「避難所におけるペット対応の手引き(令和6年度8月策定)」健康情報の記録・写真保存。
次の内容:「持ち物が足りない」「ケージがない」場面での現実的な調整を整理します。
Q5. ケージやキャリーがない。受け入れが難しくなる?
避難所側の条件は差が出ますが、避難直後は逸走・咬傷・排泄トラブルが重なりやすいため、「リードを付ける/ケージに入れる」といった“事故予防”が優先されやすい傾向があります。
事前にケージ慣れを促す記載や、避難時にケージ等へ入れて安全に確保する考え方が、自治体の手引きでも整理されています。
出典:松江市「避難所におけるペット対応の手引き(令和6年度8月策定)」/ケージ・逸走防止等。
出典:環境省ポスター(「ペットを落ち着かせ、迷子にさせない」「ケージに慣らす訓練」等)/作成:令和2年8月。
次の内容:留守番(在宅)と避難の線引きを、判断軸で整理します。
Q6. ペットを家に置いて避難(留守番)は、どこまで許容できる?
一般論としては「人の安全確保が大前提」で、避難が必要な状況なのにペットを理由に避難しないことは自分の安全を脅かし得る、という注意喚起が示されています。
一方で、自宅が安全と確認できる場合に在宅避難が最良になる可能性も示されており、地域の危険度(ハザード)と避難情報に寄せた判断が前提になりやすいです。
出典:環境省ポスター(避難指示等に従う、ペットが理由で避難しないことへの注意)/作成:令和2年8月。
出典:環境省 事務連絡(在宅避難が最良の手段になる場合)/発出日:令和2年6月8日。
次の内容:車中避難を選ぶときの注意点(温度・衛生・運用)を整理します。
Q7. 車中避難はアリ?避難所より安全なこともある?
選択肢として触れられていますが、車内は温度・湿度の上下が大きく、体調悪化のリスクが上がりやすい前提があります。避難所・在宅・車中のどれを選ぶかは、危険度とペットの健康状態、支援アクセス(給水・物資)で条件が変わります。
出典:松江市「避難所におけるペット対応の手引き(令和6年度8月策定)」/車内飼育の注意に言及。
次の内容:「断られた」「離れた」場面で起きやすい迷子・逸走の扱いを整理します。
Q8. 迷子・脱走が心配。まず何を整えておくと現場で詰まりにくい?
迷子・逸走は「探す」以前に“照合できる情報があるか”で難易度が変わります。
避難所手引きでは、鑑札・注射済票・マイクロチップ・迷子札など、所有者明示の整理が示されています。
出典:松江市「避難所におけるペット対応の手引き(令和6年度8月策定)」所有者明示。
出典:那覇市「ペットとの防災対策について」/更新日:2025年12月15日(鑑札・注射済票などの案内、受け入れは一律でない旨)。
次の内容:最後に、現場での分岐を早くするための“確認の聞き方”をテンプレ化します。
Q9. 受付で何を聞けばいい?短く要点だけ確認したい
避難所側は混乱しやすいので、質問は「配置」「動線」「衛生」「支援」の順で短くすると通りやすいことがあります。
- 受け入れ:ペットスペースの有無/場所/入れる頭数や条件
- 同伴の範囲:生活スペースとの分離の考え方/出入りできる時間帯
- 衛生:排泄場所/ゴミの扱い/清掃分担
- 支援:給水・物資の受け取り方法(ペット分の扱いを含む)
運用差が大きい領域なので、掲示→受付→担当者の順で“その避難所のルール”に寄せていく形が安定しやすいです。
出典:環境省「ペットの災害対策」ページ(自治体へ確認、ルール遵守・配慮に言及)/更新日の明記なし(閲覧日:2026年1月23日)。
まとめ
災害時のペット対応は、状況が揺れても「判断の軸」を固定しておくと、迷いが増えにくくなります。環境省の資料では、まず飼い主自身の安全確保を前提にしつつ、避難が必要なときはペットと同行避難できるよう備え、避難所では自治体の指示・ルールに沿って行動する整理が示されています。
出典:環境省「ペットの災害対策」/ページ内記載(参照日:2026年1月23日)
出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン(平成30年3月発行)」
出典:環境省「ペットを飼っている皆さまへ—災害時のペットとの同行避難について—(令和2年8月作成)」
行動指針の骨格は「4つ」で回す
迷いが出たときほど、次の4点に戻すと整理しやすいです。
- 人命優先:危険区域に戻らない/二次災害を避ける
- 一次情報:自治体・避難所掲示・公的機関の発表へ寄せる(発表元と日時を確認)
- ルール確認:避難所は掲示→受付→担当者の順で“その場の運用”を揃える
- 飼い主の管理:逸走・咬傷・衛生(排泄物・臭い・毛)を事故化させない
出典:環境省「ペットの災害対策」/ページ内記載(同行避難・ルール遵守・配慮等)/参照日:2026年1月23日
フェーズ別に「次の一手」を決める
同じ準備でも、フェーズで優先順位が変わりやすいです。
平時(迷わない土台)
- キャリー/ケージに入れられる状態、短いリードで管理できる状態
- 所有者明示と照合用の情報(写真・特徴・連絡先)
- 備蓄(フード・水・衛生用品を数日単位で回せる形)
出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>(平成30年3月発行)」
発災直後(最初の30分〜半日)
- 人の安全→逸走防止→一次情報→避難の分岐(避難所/在宅/車中)
出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」/平成30年3月発行
避難所到着後
- 掲示で全体ルール→受付で登録→担当者で例外の調整
- 揉めやすい論点は「事故防止→衛生→運用動線」の順で整理すると崩れにくい
出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン 災害への備えチェックリスト(令和3年3月)」
在宅・車中
- 温度(暑さ寒さ)→給水→衛生の順で崩れを止める
- 車内放置は熱中症リスクが上がりやすい前提が示されています
出典:環境省 報道発表「ペットを車内に残さないで!~ペットの熱中症に関する注意喚起チラシの作成について~」/発表日:2021年5月21日
地域差が出るほど「更新日×適用範囲」が効く
同行避難の考え方は共有されても、避難所の運用は設備・人員・混雑などで変わりうるため、同室可否や物資配布の条件は「発表元」「更新日時」「どの避難所の話か」で揃えるほうが混乱が増えにくいです。
出典:環境省「ペットの災害対策」/ページ内記載(自治体確認・地域差前提)/参照日:2026年1月23日


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