災害時は、情報が断片的になりやすく、周囲も落ち着かない状況になりがちです。犬や猫も揺れ・騒音・人の緊張に反応し、普段と違う行動を取ることがあります。その結果、「何から手をつけるか」が決まらないまま時間が過ぎ、ペットの脱走やケガ、体調悪化につながるケースもあります。
対応が遅れやすい大きな理由は、やることが同時多発するからです。家の中の安全確認、家族の安否、停電や断水、避難情報の確認、ペットの確保……どれも大事に見えて、優先順位がつけにくくなります。さらに、同行避難(ペットと一緒に避難する)か在宅避難(自宅で過ごす)かの判断が曖昧だと、準備が中途半端になり、移動や避難所で困りやすくなります。
迷いを減らすための軸はシンプルに3つです。
- 命を守る順番:人の安全 → ペットの安全 → 生活の維持
- 脱走・迷子の予防:確保できなければ、その後の対応が崩れやすい
- 避難の分岐判断:在宅で維持できるか/外に出る必要があるかを早めに見極める
この3つを基準にすると、「安全確保 → 確保(脱走防止)→ 避難判断 → 移動・避難所対応 → 生活(停電・断水)→ 体調管理」という流れで整理しやすくなります。細かな準備の正解は家庭によって変わりますが、優先順位の骨組みがあるだけで行動がブレにくくなります。
まず結論:災害時の対応はこの順(最優先3つ+次の行動)

災害時のペット対応は、細かい判断を増やすほど迷いやすくなります。最初は「順番」だけ固定すると動きやすくなります。優先順位は次の3つです。
最優先① 人の安全を確保する
ペットを守るためにも、まず人が動ける状態であることが前提になります。ケガや閉じ込めがあると、その後の対応が止まりやすくなります。揺れが続く・余震がある・ガラスが散っている状況では、無理に移動せず、安全な場所を確保してから次に進む方が安全な場合があります。
最優先② ペットを確保して脱走を防ぐ
犬猫は恐怖や興奮で、普段しない行動(走り回る/隙間に入る/噛む・引っかく)をすることがあります。扉や窓の開閉、玄関の出入りが増えると脱走リスクが上がります。まず「見つける→確保する→逃げ道を減らす」の順で、落ち着かせることを優先します。
最優先③ 在宅避難か同行避難かを早めに決める
「どこで過ごすか」が決まらないと、持ち物・移動手段・避難所での対応が後手になりがちです。建物の安全、ライフライン(停電・断水)、周辺の危険(浸水・土砂・火災)を見ながら、在宅で維持できるか、外へ出る必要があるかを判断します。
次の行動(優先順位の後にやること)
最優先3つのあとに、次の流れで整理すると崩れにくくなります。
- 情報を集める(短時間):自治体の避難情報、警報、停電・断水、道路状況
- 移動と居場所の準備:キャリー・リード・トイレ、身元情報(迷子対策)
- 避難所 or 在宅の生活維持:水・温度・衛生、食事の現実的な回し方
- 体調管理の入口:危険サインの見落とし防止、相談先の当たりをつける
- 家族共有:役割分担・連絡・記録(紙+スマホ)でズレを減らす
この順番は「正解を当てるため」ではなく、「取りこぼしを減らすため」の型です。状況が厳しいほど、優先順位を固定した方が安全面の抜けが起きにくくなります。
発災直後の安全確保(人の安全→ペット確保→脱走防止)

発災直後は、家の中が一時的に危険エリアになりやすい時間帯です。揺れや物音により、犬猫も落ち着きを失い、突然走り出す・隠れる・噛みつくなどが起こる可能性があります。ここでは「人の安全 → ペット確保 → 脱走防止」の順で、やることを具体化します。
人の安全:動ける状態をつくる
まずは人がケガをしない状態を確保します。ガラス片や倒れた家具があると、移動のたびに負傷しやすくなります。
- 足元の安全を確保:スリッパや靴が近くにあれば履く(ガラス・釘の踏み抜き対策)
- 二次災害を避ける:倒れそうな家具、落下しそうな物の近くから離れる
- 火気・ガスの異常に注意:焦げ臭い、ガス臭い、火花が見えた場合は無理に近づかない
- 暗い時の移動を最小限に:停電時は転倒・踏みつけ事故が起きやすい
※余震や火災の恐れがあるときは、ペットを探すために危険な場所へ踏み込まない方が安全な場合があります。安全な動線を確保してから次に進みます。
ペット確保:見つける→落ち着かせる→固定する
犬猫は恐怖で「普段の呼びかけが通りにくい」ことがあります。急に抱き上げると暴れて逃げる、咬傷につながる可能性もあるため、状況に合わせて確保方法を選びます。
犬の確保の考え方
- 首輪・ハーネスが付いているなら、リードを先につけてから移動する方が安全
- 興奮しているときは、目線を合わせすぎず、短い声かけで距離を詰める
- 震えて動けない犬は、抱き上げよりもリードで身体を支えつつ落ち着かせる方が安全なことがある
猫の確保の考え方
- まずは隠れ場所を確認(ベッド下、家具の隙間、押入れ)
- 無理に引きずり出すとパニックになりやすい
- キャリーが近くにあるなら、扉を開けて落ち着く場所として使い、自分から入る形を狙う
- 抱き上げる必要がある場合は、バスタオルなどで包むと爪・噛みつきを防ぎやすい(暴れる場合は無理をしない)
脱走防止:玄関・窓・出入り動線を「閉じる」
発災直後は、家族の出入りや換気、片付けで扉が開きがちです。脱走が起きると、その後の避難判断・移動・避難所対応が一気に難しくなります。
- 玄関の管理を最優先:出入りする人を決め、開閉回数を減らす
- 窓・網戸の確認:揺れでロックが外れていることがある
- ペットの待機場所を固定:キャリー、クレート、ケージ、首輪+リード(室内係留)など、家庭に合う形で「逃げにくい状態」にする
- 迷子対策の入口:首輪の迷子札、マイクロチップ番号、写真(顔・全身・特徴)がすぐ出せる状態に寄せる
“やりがち”な落とし穴(初動の遅れにつながりやすい)
- 片付けを優先して、ペット確保が後回しになる
- 扉を開けっぱなしにして、猫が飛び出す
- 叱る・大声で呼ぶことで、犬猫がさらに興奮する
- キャリーやリードを探す間に、目を離して見失う
初動は「整える」よりも「守る」を優先し、確保と脱走防止を先に固める方が安全につながりやすいです。
在宅避難か同行避難かの判断(分岐条件/迷いやすい例)

在宅避難(自宅で過ごす)と同行避難(ペットと一緒に避難する)は、「どちらが正しいか」ではなく、その時点で安全と維持ができるかで決まります。迷いを減らすために、判断を3段階で整理します。
判断の基本:3つの分岐条件
次の3つを順番に見ます。上から順に「満たせない」ほど同行避難の必要性が高まります。
① 建物・周辺が安全か(命の危険があるか)
- 自宅が倒壊の恐れ、火災、ガス漏れ、浸水、土砂災害の危険がある
- 余震で家具の転倒が続き、居場所が確保できない
- 近隣で火災や危険物の流出などが起きている
→ この段階で危険が高い場合は、同行避難の方向に寄りやすい(安全確保が最優先)
② ライフラインがどれだけ保つか(停電・断水・寒暖)
- 飲み水(人+犬猫)が数日分確保できる見込みがある
- トイレや排泄物の処理、衛生を最低限維持できる
- 夏の暑さ/冬の寒さをしのげる(熱中症・低体温のリスクが低い)
→ 維持が難しいほど、避難を検討する理由が増える
③ ペットの状態と家庭の体制(管理できるか)
- 犬猫が極端にパニックで、室内で安全に管理できない
- 持病・投薬があり、環境悪化で体調が崩れやすい
- 世話をする人が不足、家族の役割分担が崩れている
→ 「管理が破綻しそう」なら、早めに環境を変える判断が必要になることがある
在宅避難が向きやすい条件
- 建物と周辺が安全で、余震でも居場所が確保できる
- 水と衛生(トイレ・片付け)が最低限維持できる
- 犬猫が落ち着けるスペース(クレート・ケージ・キャリー)を作れる
- 避難所の混雑や移動リスクが高く、外へ出る方が危険が大きい
- 猫が移動ストレスに弱く、キャリー内で暴れるリスクが高い(※ただし安全が最優先)
在宅避難は「家に残る」より、家を避難所として運用するイメージです。室内の安全ゾーンを決め、犬猫の動線を減らすほど安定しやすくなります。
同行避難が必要になりやすい条件
- 倒壊、火災、浸水、土砂災害など、命に関わる危険がある
- 断水・停電が長期化し、飲水・温度・衛生が維持できない
- 余震で室内が危険、犬猫が落ち着ける場所を確保できない
- 周辺の治安・環境が悪化し、自宅にいること自体が不安定
- 医療・投薬・食事制限などで、外部支援や情報が必要な状況
同行避難は「移動そのもの」が負荷になります。だからこそ、危険が高いときほど早めに動く方が結果的に安全な場合があります。
迷いやすい例と線引き(よくある分岐)
例1:停電だけで避難すべきか迷う
- 冬で室温低下が急、暖が取れない → 低体温リスクが上がる
- 夏で室温上昇が早い、風が通らない → 熱中症リスクが上がる
- 冷暖房なしでも耐えられる時間が短いと感じる場合は、避難や車中避難を含めて選択肢を広げる
→ 停電は「水より先に」体温管理が破綻しやすいことがある
例2:断水で在宅が厳しいが、避難所が不安
- 水がないと、飲水・トイレ・手洗いが連鎖的に崩れやすい
- 避難所のペット受け入れが不明な場合は、まず自治体情報や避難所の運用を確認しつつ、一時的な別ルート(親族宅・車中・ペット可施設)も候補に入れる
→ 断水は「衛生の崩れ」が早いので、判断を先延ばしにしない
例3:猫がキャリーに入らず、同行避難が難しい
- それでも命の危険が高い場合は、猫の確保を最優先に寄せる
- タオルで包む、洗濯ネット(安全目的)を使うなど、暴れて逃げるリスクを下げる工夫が有効なことがある
→ 「入らないから残る」ではなく、「確保方法を切り替える」方向で考える
例4:犬が吠えて近所に迷惑が不安で在宅にしたい
- 吠えはストレス反応のことがあり、環境が不安定だと悪化しやすい
- 在宅なら、クレートで安心できる場所を作り、刺激を減らす
- 同行避難なら、移動中・避難所での落ち着かせ方の準備が必要
→ どちらでも「安心スペースの確保」が鍵になる
判断のコツ:保留するなら“次のチェック時刻”を決める
在宅か同行かを決めきれないときは、「様子を見る」を無制限にしない方が安全です。
- 余震、雨量、河川水位、停電・断水の復旧見込みなど、次に見直す条件を決める
- 見直すタイミングを短く区切ると、判断が遅れにくくなります
同行避難の準備と移動(キャリー・リード・車中・迷子対策)

同行避難は「避難所に着くまで」がいちばん事故が起きやすい時間帯です。移動中の脱走・迷子、熱中症や低体温、パニックによるケガを減らすために、準備→出発→移動→到着直後の順で整理します。
出発前:まず「確保状態」を作る(犬=リード、猫=キャリー)
避難を決めても、確保が不安定だと玄関や車の乗り降りで事故が起きやすくなります。
犬:ハーネス+リードを基本に、二重化も検討
- 首輪だけだと、引っ張った拍子に抜けることがあります
- ハーネスがある場合はそちらが安定しやすい
- 不安が強い犬は、首輪+ハーネスの二重(リードを分ける/ダブルリード)で抜けを防ぎやすい
猫:キャリーが基本、暴れる場合は安全優先で工夫
- 猫は抱っこ移動が最も脱走につながりやすい
- キャリーが難しい場合は、タオルで包む、洗濯ネット(安全目的)を使うなど、爪・咬傷・飛び出しを減らす工夫が役立つことがあります
- キャリーの扉やロックが壊れていないか、揺れで外れないかを確認
迷子対策:出る前に「身元の手がかり」を増やす
同行避難は人の移動が多く、ペットがはぐれやすい状況になります。
- 迷子札(名前・連絡先)は、可能なら装着
- マイクロチップ装着済みなら、番号と登録情報を控える
- スマホに写真を確保(顔・全身・特徴が分かるものを複数)
- キャリーやクレートにも、連絡先メモを貼れると安心材料になることがある
- 首輪が苦手な猫は、キャリーに情報を付ける方が現実的な場合がある
持ち出しの優先順位:短時間でまとまる最小セット
「全部持つ」より「失敗しない最小セット」を先に作る方が動けます。
- 確保用品:リード/ハーネス、キャリー、予備リード
- 排泄:犬=うんち袋・ペットシーツ、猫=簡易トイレ(袋+砂の代替)
- 水と最低限の食事:飲水、少量のフード(急な変更は体調に影響することがあるため、可能な範囲で)
- 衛生:ウェットティッシュ、消毒用アルコール(使えない場面もあるため用途を選ぶ)
- 常用薬・療法食:ある場合のみ、優先度高め
- 連絡先:動物病院、自治体、家族の連絡手段
移動の基本:出入口での脱走を最優先で防ぐ
玄関、車のドア、避難所の入口は「一瞬」で逃げる可能性があります。
- 出入りを担当する人を決め、開閉回数を減らす
- 犬は先に外へ出すより、落ち着かせてから動線を作る方が安全な場合がある
- 猫はキャリーの持ち手をしっかり持ち、落下・扉の開きに注意
- 風が強い、雨が激しいときは、視界不良で事故が増えるため移動の速度を落とす
車で避難する場合:温度と換気が最優先
車中は短時間でも温度が変わりやすく、犬猫の負担が出ることがあります。
- キャリーやクレートは固定:急ブレーキで転がるのを防ぐ
- 窓の開け方に注意:猫や小型犬のすり抜けを防ぐ(大きく開けすぎない)
- 熱中症/低体温を警戒:停車中は特に温度が偏りやすい
- 体を冷やす/温める道具(タオル、ブランケット)があると調整しやすい
- 犬は車酔いしやすい個体もいるため、無理な食事は控えめにして様子を見る
徒歩で避難する場合:刺激を減らし、落下や挟み込みを防ぐ
道路はガラス片、段差、倒れた物で危険が増えます。
- 足元が悪い場所は、犬の肉球のケガに注意
- 人混みでは、犬が踏まれる・引っ張られるリスクが上がる
- 猫はキャリーを体に近づけて持ち、揺れを減らす
- 犬が怖がって動けない場合は、抱っこよりも安全な移動手段(カート、クレート)を考える余地がある
到着直後:落ち着く場所を作り、状況確認に入る
避難所でも一時避難場所でも、到着直後は犬猫のストレスが上がりやすいです。
- まず水を少量与えて様子を見る(飲み方が極端なら無理に増やさない)
- キャリーやクレートを「安心スペース」にして、出しっぱなしにしない
- 周囲の音・人の動きが落ち着かない場合は、布をかけて刺激を減らす方法が役立つことがある
- トイレのタイミングを見て、早めに排泄環境を整える
避難所での対応(ルール確認/居場所作り/トラブル予防)

避難所は「人を守る場所」として設計されているため、ペット対応は施設や自治体の運用で差が出やすいです。到着後に混乱しないために、①ルール確認 → ②居場所作り → ③トラブル予防の順で整理します。
① ルール確認:最初に押さえる3点
避難所に着いたら、まず「何が許可されているか」を短時間で確認します。細部まで詰めるより、最初は要点だけで十分です。
確認したいポイント
- 同行避難は可能か(受け入れ可否、受付の流れ)
- ペットの居場所(室内同伴/屋外係留/ペット専用スペース/別棟など)
- 必要な条件(キャリー必須、リード必須、ワクチン証明の扱い、鳴き声・臭い対策など)
同じ避難所でも、時間帯や混雑状況で運用が変わることがあります。ルールが曖昧なときは、対立になりやすい言い方を避け、運用の確認として淡々と情報を集める方がスムーズです。
② 居場所作り:犬猫の「落ち着ける範囲」を狭める
避難所では刺激が多く、犬猫は緊張しやすくなります。落ち着ける範囲を小さくして、行動を予測しやすくするのが基本です。
犬の居場所(例)
- クレートやキャリーを中心に「安心スペース」を作る
- リードは短めに管理し、通路側に飛び出さない配置にする
- 人の動線(出入口、配布場所、トイレ)から少し離せると落ち着きやすい
猫の居場所(例)
- 基本はキャリー中心(無理に出さない方が安全なことが多い)
- 布をかけて視界を遮ると、刺激が減って落ち着く場合がある
- 扉の開閉や人の出入りが多い場所は避ける
「静かな場所=必ずしも安全」とは限らず、暗くて見通しが悪い場所は人の出入りに気づけず事故につながることもあります。避難所の状況に合わせて、危険が少ない場所を選びます。
③ トラブル予防:揉めやすい原因を先に潰す
避難所のトラブルは、悪意というより「不安」と「生活音」で起こりやすいです。よくある火種を先に抑えると、周囲との摩擦が減ります。
よく起きるトラブルと予防策
- 鳴き声(犬)
- 興奮のサインとして出ていることがある
- クレートで刺激を減らし、落ち着く時間を作る
- 散歩や排泄のタイミングを整えると、落ち着く場合がある
- 臭い・衛生(犬猫共通)
- 排泄物は早めに密閉(袋を二重にするなど)
- ペットシーツや猫砂は「少量で回す」意識が現実的
- ウェットティッシュ等で体を拭き、清潔を保つ
- 脱走・迷子(猫で特に多い)
- キャリー開閉は最小限
- 猫を出す必要がある場合でも、ドア近くや混雑地帯は避ける
- 連絡先メモや写真の準備を続けておく
- アレルギーや苦手意識の衝突
- ペット可の場所でも、全員が動物好きとは限らない
- 距離を取り、毛や臭いが広がりにくい工夫をする
- 対立になりそうな場面では、職員や運営側の指示に合わせる方が安全
避難所での犬猫の様子:変化が出やすいポイント
避難所では、次のような変化が出ることがあります。
- 食欲が落ちる、飲水が減る(緊張や環境変化の影響)
- 下痢・嘔吐、過度なよだれ、震え(ストレスや体調変化の可能性)
- 猫の排泄が止まる、隠れて出てこない(環境ストレスの可能性)
- 犬の吠え・落ち着きのなさ(刺激過多の可能性)
これらは必ずしも重症とは限りませんが、悪化すると判断が難しくなります。小さな変化ほど早めに気づけるよう、観察ポイントを絞っておくと安心材料になります。
次の内容
停電・断水のときに優先すべきこと(飲水、温度、衛生)を、在宅・避難所どちらでも使える順番で整理する。
停電・断水時の対応(飲水・温度・衛生の優先順位)

停電や断水は「不便」だけでなく、犬猫の体調を崩しやすい条件が重なります。優先順位は、①飲水 → ②温度 → ③衛生の順で考えると判断がぶれにくくなります(状況によっては②が最優先になることもあります)。
① 飲水:不足させない/急に変えない
水は人もペットも必要で、断水が続くほど確保が難しくなります。犬猫は緊張で水を飲まなくなることもあり、脱水の見落としが起きやすいです。
まず押さえる考え方
- 飲ませようとしても飲まない場合がある(環境ストレス、器の違いなど)
- 一気に大量に飲ませるより、少量をこまめにが安全なことがある
- いつもと水の味・温度・器が変わると飲水が落ちることがある
現実的な工夫
- いつもの器があるなら優先して使う
- 猫は流れる水を好む個体もいるため、器を変える、置き場所を静かな所にするなどで飲む量が戻ることがある
- 断水時は「飲ませる水」と「衛生用の水」を分けて考えると管理しやすい
- 尿量が極端に減る、粘ついたよだれ、ぐったりなどがあるときは脱水の可能性を意識する
② 温度:停電時は“暑さ・寒さ”が先に限界になりやすい
停電は冷暖房が止まり、室温が急に変わります。犬猫は体温調整が苦手な条件が重なると、短時間でも負担が出ることがあります。
暑さ(熱中症リスク)
- 風通しが悪い室内・車内・避難所の一角は熱がこもりやすい
- 犬は口呼吸(ハァハァ)が増えやすく、悪化が早いことがある
- 猫はぐったり、呼吸が速い、涼しい場所から動かないなどが目立つことがある
できる範囲の対策例
- 直射日光を避け、風が通る場所へ移動
- 冷却は「急激に冷やしすぎない」方が安全な場合がある(濡れタオルを当てる等、様子を見ながら)
- 車中は停車中が特に危険になりやすい(換気と温度の偏りに注意)
寒さ(低体温リスク)
- 小型犬、短毛、老齢、持病がある場合は冷えに弱いことがある
- 猫は丸まって動かない、震えるなどが出ることがある
できる範囲の対策例
- 体の下に敷くもの(毛布、タオル)で冷えを減らす
- 濡れた体のままにしない(体温が奪われやすい)
- 密閉しすぎると換気不足になるため、空気の流れは確保する
③ 衛生:断水時ほど“片付けの仕組み”が重要
衛生が崩れると、臭い・感染リスク・人間関係(避難所では特に)に直結します。完璧を目指すより、回る仕組みを作る方が現実的です。
排泄の管理(犬)
- ペットシーツの交換頻度が落ちると衛生が悪化しやすい
- うんちは早めに密閉し、臭いを広げない
- 散歩が難しい場合は、排泄場所を固定し、拭き取りで最低限を保つ
排泄の管理(猫)
- 猫砂が不足すると排泄を我慢する個体がいる
- 砂が少ない状況では、汚れた部分だけを取り除き、全交換は最小限にする
- ビニール袋や簡易トイレで「一時的に回す」発想も必要になることがある
体の清潔
- 水が少ないときは、ウェットティッシュや濡らした布で拭き取り中心
- 肉球やお尻周りを優先するとトラブルが減りやすい
- 皮膚が弱い個体は、拭き取りの刺激でも荒れることがあるため、様子を見ながら
在宅・避難所どちらでも役立つ「優先順位の整理」
- 水が足りない:飲水の確保 → 排泄の密閉 → 体を拭く
- 暑い/寒い:直射や冷えを避ける → 安心スペースを作る → 水分の様子を見る
- 臭いが出る:排泄物の密閉 → 置き場所の工夫 → 拭き取りと換気
停電・断水は「どれを優先するか」が決まると、少ない資源でも回しやすくなります。
体調変化への初期対応(危険サイン/様子見の幅/相談判断の入口)

災害時は、犬猫が普段より体調を崩しやすい条件(ストレス、寒暖差、飲水低下、食事の変化、衛生低下)が重なります。一方で、すぐ受診できない状況もあり得るため、危険サインの見落としを減らしつつ、様子見の幅を持つことが大切です。ここでは「今すぐ緊急度が高いサイン」「様子見しやすい範囲」「相談判断の入口」を整理します。
危険サイン(緊急度が高い可能性がある)
次のような状態がある場合は、状況が許す範囲で早めに相談先(動物病院、救急対応の案内、自治体の情報窓口など)を探す判断材料になります。
呼吸・意識に関わるサイン
- 呼吸が明らかに苦しそう(ゼーゼー、肩で息をする、口を大きく開けて荒い呼吸が続く)
- 舌や歯ぐきの色がいつもと違う(青っぽい、真っ白、極端に赤いなど)
- 反応が鈍い、ぐったりして立てない、意識がはっきりしない
- けいれん、ふらつきが強い
出血・外傷・事故のサイン
- 止まりにくい出血、深い傷、強い痛みが疑われる(触ると激しく嫌がるなど)
- 交通事故や落下のあとに動きがおかしい、呼吸が速い、震えが止まらない
- 熱中症が疑われる(高温環境+荒い呼吸、ぐったり、ふらつき)
- 低体温が疑われる(冷えた環境+震えが強い、動かない、体が冷たい)
消化・排泄に関わるサイン
- 繰り返す嘔吐、血が混じる嘔吐や便
- 下痢が続き、ぐったりしている
- 尿がほとんど出ない、排尿時に強く痛がる、何度もトイレに行くのに出ない
(猫は特に、排尿トラブルが重くなりやすいことがあります)
※災害時は「連絡がつかない」「移動が難しい」こともあります。その場合でも、危険サインがあるかどうかを整理しておくと、つながった瞬間に状況を伝えやすくなります。
様子見の幅(比較的起こりやすい変化と見守りのポイント)
環境が変わると、犬猫は一時的に次のような反応を示すことがあります。すぐに重症とは限りませんが、悪化の兆しがないかは確認します。
ストレス反応として出やすい例
- 食欲が落ちる(少量なら食べるが普段より減る)
- 水をあまり飲まない(器や場所の変化で飲水が落ちる)
- 震え、隠れる、落ち着かない、吠える(刺激への反応)
- 便が柔らかくなる(食事やストレスの影響の可能性)
- 猫がトイレに行きたがらない(環境変化の可能性)
見守りのときに確認したい「3点セット」
- 呼吸:苦しそうではないか、速さが極端ではないか
- 水分:飲水量、よだれ、皮膚や口の乾き、尿の量
- 排泄:尿が出ているか、便の状態、痛がっていないか
ここが安定していれば、短時間は様子を見やすいことが多いです。
初期対応の考え方(やることを増やしすぎない)
災害時は道具も情報も限られます。やることは「負担を減らす」「悪化を防ぐ」に絞る方が安全です。
- 刺激を減らす:キャリーやクレートを安心スペースにして、視界を遮る工夫
- 水分を少量ずつ:飲める範囲でこまめに(無理強いしない)
- 温度を整える:暑さ・寒さの偏りを減らす(急に冷やしすぎない)
- 食事は“戻せる範囲”で:急なフード変更は胃腸に負担になることがあるため、可能なら普段に近い形へ寄せる
相談判断の入口(連絡先に伝えるための整理)
相談や確認をする場面では、「何が起きているか」を短く言えると対応が進みやすいです。以下をメモしておくと共有しやすくなります。
- いつから(発災後いつ、移動の前後など)
- どんな症状(呼吸、意識、嘔吐下痢、外傷、排尿など)
- どのくらい続く/回数(嘔吐の回数、排尿の有無)
- 水と食事(飲んだ量、食べた量)
- 体温環境(暑い/寒い、停電の有無)
- 持病・薬(ある場合のみ)
「緊急度が高いサインがあるか」「水分と排泄が保てているか」を軸に整理すると、相談の入口を作りやすくなります。
家族共有:役割分担と連絡テンプレ(紙+スマホ)

災害時は「誰が何をするか」が曖昧だと、同じ作業が重なったり、逆に重要な確認が抜けたりしやすくなります。犬猫の対応は、人の安全確保・避難判断・移動が絡むため、役割分担と情報共有の型があるだけで迷いが減ります。ここでは、紙とスマホの両方で使える形にまとめます。
役割分担(最小3役で回す)
家族の人数や同居状況に合わせつつ、まずは次の3役に分けると整理しやすいです。
① 安全・避難判断係(情報と判断)
- 自宅・周辺の危険確認(火災、浸水、倒壊の恐れなど)
- 避難情報の確認(自治体、防災無線、警報)
- 在宅避難か同行避難かの判断と見直し時刻の設定
- 移動先の候補整理(避難所、親族宅、ペット可施設など)
② ペット確保・管理係(脱走防止と落ち着かせ)
- 犬猫の確保(犬=リード、猫=キャリー)
- 脱走防止(玄関・窓・出入り動線の管理)
- 安心スペースの確保(クレート、キャリー、ケージ)
- 体調の観察(呼吸・飲水・排泄の3点セット)
③ 物資・持ち出し係(最小セットを作る)
- キャリー、リード、排泄用品、水、最低限の食事の確保
- 常用薬や療法食があれば優先
- 連絡先メモ、写真、身元情報の準備
- 車や移動手段の準備(ガソリン、鍵、荷物の固定)
人数が少ない場合は、①と③を兼任し、②だけは専任に寄せると脱走事故を減らしやすくなります。
連絡の基本ルール(すれ違いを減らす)
災害時は通信が不安定になり、短文で誤解が起きやすいです。共有ルールを簡単に決めておくと混乱が減ります。
- 連絡は「結論→場所→次の行動」の順にする
- 同じ内容を複数の手段で送る(通話が無理ならSMSやメッセージ)
- 返事がなくても、一定時間ごとに状況更新を送る
- 決めたことは「誰が」「いつ」「どこへ」を入れる
家族向け 連絡テンプレ(コピー用)
短く、必要情報だけに絞った文面です。状況に合わせて置き換えます。
テンプレA:安否と現在地
- 「全員無事。現在地:〇〇(自宅/避難所名/車中)。次:〇〇を確認して連絡する。」
テンプレB:在宅/同行の判断共有
- 「避難方針:在宅(同行避難に切替の可能性あり)。理由:〇〇(安全・水・温度)。見直し:〇時。」
テンプレC:同行避難の移動共有
- 「これから移動。出発:〇時。行先:〇〇。犬猫:確保済(犬=リード/猫=キャリー)。到着後連絡する。」
テンプレD:はぐれ防止(集合ルール)
- 「集合場所:〇〇。集合できない場合:〇〇(避難所/親族宅)。合言葉:〇〇。次の連絡:〇時。」
記録テンプレ(紙+スマホの両方で残す)
後から状況整理や相談が必要になったときに役立ちます。全部埋めなくても、要点だけで十分です。
最低限の記録(5項目)
- 日時:
- 場所(自宅/避難所/車中):
- 犬猫の状態(呼吸・水・排泄):
- した対応(確保、移動、温度調整など):
- 次にすること/見直し時刻:
ペット情報(すぐ出せる形)
- 名前:
- 種別(犬/猫)・特徴:
- 持病/常用薬:
- マイクロチップ番号(ある場合):
- 写真(スマホに保存:顔・全身・特徴):
紙は「停電・通信不安定でも見られる」強みがあり、スマホは「写真・共有が速い」強みがあります。両方に同じ要点を残せると安心材料が増えます。
次の内容
持ち物チェックリストを、最低限/余裕があれば/書類・写真に分けて整理する。
持ち物チェックリスト(最低限/余裕があれば/書類・写真)

同行避難でも在宅避難でも、「足りないと困る物」は共通しています。災害時は持てる量や入手性に限りがあるため、まずは最低限を固め、余裕があれば段階的に足します。犬猫それぞれで必要度が変わる項目もあるので、分けて整理します。
最低限(最優先:これがないと回りにくい)
① 確保・移動(脱走防止が最優先)
- 犬:ハーネス/首輪、リード(予備があれば安心材料)
- 猫:キャリー(ロック確認)、目隠し用の布(刺激を減らす用)
- 共通:迷子札(可能なら)、予備の結束バンドや紐(応急固定に使えることがある)
② 水・食事(少量でも“継続”できる形)
- 飲み水(犬猫用に分けて考えると管理しやすい)
- 給水用の器(普段の器に近いほど飲みやすい場合がある)
- フード(少量でも可:普段に近いものがあると胃腸の負担が減ることがある)
- ちゅーる等の嗜好品(猫の水分補給や食欲が落ちた時の補助になる場合がある)
③ 排泄・衛生(避難所では特に重要)
- ペットシーツ、うんち袋(密閉できる袋も)
- ウェットティッシュ/拭き取り用の布
- 猫:簡易トイレの代替(袋+砂の少量、使い捨てトレーなど“回す”発想で)
④ 体調管理の入口(必要時に困らないため)
- 常用薬・療法食(ある場合は最優先)
- 消耗品(ガーゼ、テープなど:軽いケガの保護に使えることがある)
余裕があれば(ストレス軽減・生活を回す)
犬猫共通
- ブランケット/タオル(温度調整、目隠し、体拭きに兼用できる)
- 予備のフード、予備の水
- 消臭袋、消臭スプレー(使える環境なら)
- 簡易食器(折りたたみ等)
犬向け
- 口輪(必要な犬のみ:混雑時の安全対策として有効な場面がある)
- お気に入りの玩具(落ち着き材料になることがある)
猫向け
- 追加の猫砂、砂をすくうスコップ(小型でも)
- 隠れ場所代わりになる布(キャリーを落ち着く空間にする)
書類・写真(“持たないと詰む”系を先に)
災害時は、避難所の運用や移動先で「情報が必要になる」場面があります。紙とスマホの両方で用意できると安心材料が増えます。
必須寄り(優先度高)
- 犬猫の写真(顔・全身・特徴)※スマホに複数枚
- 連絡先リスト(家族、動物病院、自治体、避難所の連絡手段)
- マイクロチップ番号(装着済みの場合)
- 既往歴・薬の情報(簡単なメモで十分)
あると助かる
- ワクチン接種歴や診察券の控え(写真でも可)
- ペット保険の情報(加入している場合)
- 猫の性格メモ(触れない、逃げる、パニックになりやすい等:避難所での説明用)
パッキングのコツ(探さないための分け方)
- 「確保セット(リード・キャリー)」は玄関近く
- 「水・排泄・拭き取り」は一つの袋にまとめる
- 「書類・写真」はスマホ+紙メモ(財布や防災ポーチ)に分散
- 物が増えすぎると動けなくなるため、まず最低限を固定してから追加する
よくあるQ&A(避難所、猫トイレ、犬の吠え、迷子、食事、水など)

Q1. 避難所でペットは必ず受け入れてもらえる?
受け入れ可否や運用は、自治体・施設・混雑状況で変わることがあります。同じ地域でも避難所ごとに「ペットの居場所(屋外/専用スペース/別室)」が違う場合があります。到着後は、まず運営側に「ペットの待機場所」「必要条件(キャリー必須など)」を確認し、指示に合わせる方がトラブルを減らしやすいです。
Q2. 猫がキャリーに入らない。同行避難は無理?
入らないこと自体は珍しくありません。恐怖や興奮で抵抗が強くなることがあります。命の危険が高い状況では、確保方法を切り替える考え方が現実的です。タオルで包む、洗濯ネット(安全目的)を使うなどで、爪や噛みつき・飛び出しを防ぎやすくなる場合があります。落ち着いてからキャリーに入れる方が安全なこともあります。
Q3. 猫のトイレがない・猫砂が足りないときはどうする?
環境変化で排泄を我慢する猫もいます。完璧なトイレを作れない場合は、「一時的に回す」発想が必要になります。袋やトレーを簡易トイレにして、猫砂は少量で汚れた部分だけ取り除く形に寄せると継続しやすいです。排尿がほとんど出ない、何度もトイレ姿勢を取るのに出ないなどが続く場合は、体調面の注意点になります。
Q4. 犬が避難所で吠えてしまう。どうしたらいい?
吠えは「興奮」「恐怖」「警戒」の反応として出ることがあります。叱るより、刺激を減らす工夫が落ち着きにつながる場合があります。クレートを安心スペースにする、布で視界を遮る、通路や人の流れから少し離すなどが現実的です。排泄や水分のタイミングが乱れると落ち着かない犬もいるため、可能な範囲で整えると改善することがあります。
Q5. 迷子になったら、まず何から始める?
最初は「見つける努力」と「情報を届ける」を同時に進める方が見つかりやすいことがあります。写真(顔・全身・特徴)と連絡先をすぐ出せるようにし、避難所・近隣・自治体の案内や掲示、保護情報の窓口などに情報を回します。猫は近距離に隠れている場合もあるため、呼び続けるより、静かな時間帯に周囲を確認する方が見つかることがあります。
Q6. 災害時、犬猫は何日くらい食べなくても大丈夫?
個体差が大きく、持病や年齢でも変わるため一律の線引きは難しいです。災害時はストレスで食欲が落ちることもありますが、「水分が取れているか」「ぐったりしていないか」「嘔吐や下痢がないか」をセットで見ます。食事を急に変えると胃腸に負担が出ることもあるため、可能なら普段に近い形へ寄せ、少量から様子を見る方が安全な場合があります。
Q7. 水を飲まない(飲水が少ない)ときはどうする?
器や置き場所の違い、周囲の騒音などで飲まなくなることがあります。普段の器に近いものを使う、静かな場所に置く、少量ずつこまめに出すなどで飲みやすくなることがあります。よだれが粘つく、尿が極端に少ない、ぐったりするなどがあるときは脱水の可能性を意識します。
Q8. 避難所で他の人と揉めないために気をつけることは?
トラブルは「不安」と「生活環境の違い」で起きやすいです。臭い・毛・鳴き声・動線の4点が火種になりやすいので、排泄物の密閉、拭き取り、クレートでの管理、通路から距離を取る工夫が有効です。判断が分かれそうな場面では、運営側の指示に合わせる方が安全です。
Q9. 首輪やハーネスが抜けそうで怖い。どうすればいい?
パニック時は普段より抜けやすくなります。犬はハーネスを優先し、必要なら首輪と二重にする方法があります。猫は首輪が苦手な個体も多いので、キャリーの確保とロック確認を優先し、身元情報はキャリーに付ける形が現実的な場合があります。
Q10. ペットの体調がおかしい気がする。受診できないときはどうする?
まずは危険サイン(呼吸が苦しい、ぐったり、繰り返す嘔吐、排尿が出ないなど)があるかを確認し、ある場合は相談先に連絡できる手段を探す判断材料になります。すぐ動けないときは、刺激を減らし、温度を整え、飲水と排泄を観察し、状況を短くメモしておくと、連絡がついたときに説明しやすくなります。
次の内容
全体の要点をまとめ、次に作るべき派生の判断記事(内部リンク設計)へつなげる。
まとめ
災害時のペット対応は、細かな正解を探すより「優先順位」を固定した方が動きやすくなります。最初に押さえる軸は、人の安全 → ペット確保(脱走防止)→ 在宅か同行かの判断です。ここが固まると、移動・避難所・停電断水・体調管理の判断が連鎖的に整理しやすくなります。
発災直後は、片付けや情報収集よりも先に、犬猫を「逃げにくい状態」に寄せることが重要になります。玄関や窓の管理、犬はリード、猫はキャリーを基本にし、出入りの多いタイミングでの脱走を防ぐだけでも、後の難しさが大きく減ります。
在宅避難と同行避難は、気持ちではなく「安全と維持ができるか」で決まります。建物と周辺の危険、停電断水の長期化、暑さ寒さ、家族の体制、犬猫の状態を見て、保留するなら見直し時刻を決めると判断が遅れにくくなります。同行避難では移動中の事故が起きやすいため、出発前に確保状態を作り、迷子対策(身元情報と写真)を先に固めることが要点です。
避難所では、まずルール確認をして、犬猫の居場所を作り、臭い・鳴き声・脱走の火種を減らす工夫がトラブル予防につながります。停電・断水時は、飲水 → 温度 → 衛生の順で優先順位をつけ、やることを増やしすぎずに「回る仕組み」を作る方が現実的です。体調変化は、危険サインの有無、飲水と排泄が保てているかを軸に整理し、相談の入口として状況を短くメモしておくと共有しやすくなります。
家族での役割分担と連絡テンプレを作っておくと、同じ作業の重複や重要な抜けが減ります。紙とスマホの両方で「場所・方針・次の行動」を揃えておくことが、混乱しやすい場面での安心材料になります。



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