一人暮らしで犬や猫と暮らしていると、災害が起きたときに「まず何の情報を見ればいいの?」と迷いやすくなります。テレビやSNS、ニュース速報、自治体のお知らせが一気に流れてきて、情報が多いほど不安になることもありますよね。
ペット防災で詰まりやすいのは、だいたい次のような場面です。
- 自治体のページにたどり着けない(避難所の情報やペットの受け入れルールが見つからない)
- SNSの情報が本当か分からない(拡散されているけど出どころが不明)
- 停電・断水や復旧見込みが分からない(在宅避難の判断ができない)
- 迷子・脱走が起きた時にどこへ連絡すればいいか曖昧(時間が経つほど不利になりやすい)
この記事では、「ペットの防災情報はどこを見る?」という疑問に対して、信頼できる情報源を優先順位つきで整理し、災害別に「まず見る→次に見る」を分かりやすくまとめます。さらに、SNSやまとめ情報とうまく付き合うために、デマを避けるチェックの手順も具体的に紹介します。
最後に、平常時からできる準備として、スマホの中に「情報の置き場」を作る方法も整理します。災害はいつ起きるか分かりませんが、見る場所の順番が決まっているだけで判断が楽になることは多いです。焦って検索し直す時間を減らして、あなたとペットが落ち着いて行動できる状態を一緒に作っていきましょう。
- 第1章:まず押さえる“情報源の優先順位”
- 第2章:災害時に見るべき情報(地震・台風・豪雨など)
- 第3章:ペット同行避難・避難所ルールはどこで確認する?
- 第4章:停電・断水・ライフライン情報の見方
- 第5章:発災直後〜避難までの行動
- 第6章:避難所・車中・知人宅で困ることと対策
- まとめ
- チェックリスト
第1章:まず押さえる“情報源の優先順位”

災害時の情報は、早いほど助かりますが、早い=正しいとは限りません。ペットの安全を考えるときほど、まずは「どの情報を優先するか」の基準を持っておくと判断が安定します。ここでは、迷いにくい基本ルールとして 一次情報>二次情報>個人発信 の考え方を、ペット防災に合わせて整理します。
一次情報>二次情報>個人発信とは?
一次情報は、行政や公的機関、インフラ会社など「判断や対応を実際に決めている側」が出す情報です。避難情報、避難所の運用、停電断水の状況など、行動に直結する内容が含まれます。
二次情報は、一次情報を引用・整理して伝えるものです。ニュースやまとめ記事、専門家の解説などがここに入ります。分かりやすい一方で、更新のタイミングが遅れたり、要点が省略されることもあります。
個人発信(SNS投稿など)は現場感が強い反面、地域差・勘違い・古い情報の再拡散が混ざりやすいのが特徴です。役に立つ場面はありますが、「行動を決める材料」には一次情報の確認が必須です。
迷ったら「その情報の発信元は、実際に避難所を運営する側/復旧を行う側/公式に発表する側か?」で判断するとブレにくくなります。
カテゴリ別:まず見るべき情報源の整理
災害時に必要な情報は大きく6カテゴリに分けられます。探し方が分からないときは、まずこの枠で頭の中を整理すると迷子になりにくいです。
1)国・自治体(避難情報/避難所運用/支援)
避難指示や避難所の開設状況、通行規制、給水場所など、生活と避難の意思決定に関わる情報が出ます。
ペット関連では「同行避難の考え方」や「避難所でのルール(受け入れの条件、飼養スペース、持ち物)」などがここに集約されやすいです。
- 強い理由:避難所の運用やルールを決めるのが自治体であることが多く、情報の公式性が高い
- 注意点:同じ自治体でも、避難所ごとに運用が違う場合があるため、“全避難所一律”と決めつけない
2)気象(台風・豪雨・洪水・警報)
台風の進路、警報・注意報、土砂災害や洪水の危険度など、**「これから何が起こりそうか」**を把握するための情報です。
ペットにとっては、停電や断水が起きやすいタイミングを予測し、早めに準備を整える材料になります。
- 強い理由:観測と予測の仕組みが整っており、更新頻度が高い
- 注意点:情報の見方が難しく感じる場合は、重要語(警報/避難情報/危険度)だけ押さえれば十分
3)インフラ(停電・断水・ガス・通信)
停電や断水、復旧見込みなど、在宅避難の可否に直結する情報です。犬猫の体温管理、飲み水、衛生の確保はライフラインの影響を受けやすいため、優先度が高いカテゴリです。
- 強い理由:復旧作業を行う当事者が出すため、状況把握に強い
- 注意点:復旧見込みは変動することがあるので、古い時刻の情報を見続けない
4)交通(道路・公共交通・通行止め)
避難や移動が必要になったとき、通れる道/混雑/規制を知る情報です。ペットと一緒の移動は時間がかかりやすいので、無理のない経路を選ぶ判断材料になります。
- 強い理由:規制や復旧の情報は公式発表が多い
- 注意点:災害直後は状況が変わりやすく、予定通りに動けない可能性がある
5)避難所(受け入れ状況/ルール)
「避難所が開いているか」だけではなく、ペットの受け入れ方法や飼養場所、周囲への配慮など、実務ルールの確認が必要です。
ここが曖昧だと、到着後に困ってしまうため、できれば平常時に確認しておく価値が高いカテゴリです。
- 強い理由:運用ルールが明文化されている場合があり、準備に落とし込みやすい
- 注意点:「ペット可」という表現でも、同伴の範囲(居住スペースに入れるか等)は自治体や避難所で異なる場合がある
6)動物関連(動物愛護/迷子/動物病院)
迷子・脱走の対応、保護情報の集約先、被災時の注意点など、ペット固有の課題に関わる情報です。
体調不良については自己判断で無理をせず、状況に応じて動物病院へ相談する姿勢が安全です。
- 強い理由:保護・収容の情報が集まりやすい窓口がある
- 注意点:災害時は窓口が混雑したり、連絡がつきにくいこともあるため、複数の連絡先を想定しておく
犬と猫で「重要度が上がりやすい情報」の違い
同じ災害でも、犬と猫で「気にするべき情報」の比重が少し変わることがあります。ここでは典型例を整理します(もちろん個体差はあります)。
犬で優先度が上がりやすい
- 避難所ルール・周囲配慮:鳴き声や他人との距離が課題になりやすい
- 移動・交通情報:移動の頻度が増えやすく、混雑や規制の影響を受けやすい
- 散歩環境の変化:浸水や瓦礫などで外が危険になることがある
猫で優先度が上がりやすい
- 脱走・迷子情報:驚いて隠れる、すり抜けるなどで行方不明リスクが上がりやすい
- 在宅避難のライフライン情報:慣れた環境の維持が大切になりやすく、停電・断水の影響が大きい
- 避難の判断:環境変化によるストレスが強く出る場合があるため、避難所情報の確認が重要になる
この章の結論:迷ったら「決めている人の情報」へ
災害時の情報は、どうしても不確実な部分が混ざります。その中で行動を決めるには、次の順番がシンプルで強いです。
- 自治体などの一次情報(避難情報・避難所・支援)
- 気象・インフラの一次情報(これから/いま起きていること)
- 二次情報(ニュース等)で全体像を補う
- SNSは“現場の補助情報”として扱い、必ず発信元を確認する
次章では、地震・台風・豪雨など災害別に、実際に「まず見る→次に見る」をもう少し具体的な手順に落とし込みます。
第2章:災害時に見るべき情報(地震・台風・豪雨など)

災害時に情報を追うコツは、「全部を追わない」ことです。
一人暮らしで犬猫と暮らしていると、発災直後はとくに手が足りません。だからこそ、“見る順番”を固定して、必要な情報だけを拾うほうが安全に行動しやすくなります。
ここでは、災害別に 「まず見る→次に見る」 を具体化します。迷ったら、この順番に沿って確認してください。
共通の基本手順:「まず見る→次に見る」の型
災害の種類が違っても、最初の型は似ています。
- 命に直結する情報(警報・避難指示・津波・土砂災害など)
- いま起きている被害の範囲(どの地域が危ないか/ハザードマップ的な視点)
- ライフライン(停電・断水・通信/復旧見込み)
- 移動の可否(交通情報、通行止め、避難所の開設)
- ペットに関係する運用(避難所ルール、同行避難の条件、受け入れ状況)
この順番にすると、「ペットはどうする?」を考える前に、まず人の安全と避難判断が固まりやすいのがメリットです。ペットの行動は、その判断に合わせて組み立てます。
地震のとき:最初は“津波・避難”の確認が最優先
地震は発生が突然で、余裕がなくなりやすい災害です。特に沿岸部では、揺れの後に判断が遅れると危険が増します。地震時の基本はこうです。
まず見る(地震直後〜数分)
- 強い揺れの情報(震度や大きさの速報)
- 津波の有無(沿岸にいる場合は最優先)
- 避難情報(避難指示・避難場所の案内)
地震直後は、細かいニュースよりも「いま逃げる必要があるか」を決める情報が先です。犬猫の準備が完全でなくても、命に関わるときは“人が動ける状態”を優先し、ペットは確保して一緒に移動する形が現実的です。
次に見る(10分〜)
- 余震の見通し(大きな余震が続く可能性を前提に)
- 火災・倒壊・ガス漏れ等の注意喚起(地域の公式情報)
- 停電・断水・通信の状況(在宅避難できるかに影響)
その次(落ち着いてから)
- 避難所の開設状況とペット運用(受け入れ方法・ルールの確認)
- 交通・道路情報(移動するなら安全なルートの把握)
犬猫の観点メモ
- 犬:驚いて飛び出す・パニックで引っ張ることがあるので、確保が最優先。
- 猫:隠れる・すり抜ける・脱走が起きやすいので、戸締まりとキャリー確保が重要。
- どちらも、捕まえ損ねると「迷子・脱走防止」が急に最優先テーマになります(その場合は第5章の情報源へ)。
台風のとき:情報は“前日〜当日”で見る順番が変わる
台風は予測がある程度できる分、平常時からの準備と情報の追い方で差が出やすい災害です。台風の情報は「いつ・どこで・何が起きる見込みか」を段階的に確認します。
前日〜接近前にまず見る
- 気象情報(進路・暴風域・雨量の見込み)
- 警報・注意報、避難情報の可能性(地域の発表)
- ハザードマップ的な危険箇所(浸水・土砂の想定があるか)
この段階で「在宅で耐えられそうか/避難が必要そうか」の当たりをつけます。ペットがいると、避難準備に時間がかかるので、“早めに判断する材料”を集めるのがポイントです。
接近中〜暴風雨のピークに見る
- 避難指示や避難所の開設情報
- 停電・断水の状況(起き始めたら在宅避難の条件が変わる)
- 交通情報(移動するなら危険が増えるので、無理に動かない判断材料にもなる)
通過後〜復旧期に見る
- 復旧見込み(停電・断水・道路)
- 給水・支援情報(自治体の案内)
- 避難所運用の変更(閉所や移動の案内が出ることも)
犬猫の観点メモ
- 停電:室温管理が重要になります(夏は熱中症、冬は低体温のリスク)。
- 断水:飲み水だけでなく、トイレと衛生が詰まりやすいです。
- ストレス:雷や風の音で落ち着かない場合があるので、落ち着けるスペース確保も“情報と同じくらい”大事です。
豪雨・洪水のとき:「危険度の上がり方」を追う
豪雨や洪水は、短時間で状況が変わることがあります。ポイントは、「いま危険か」だけでなく、危険が上がっている途中かどうかを見続けることです。
まず見る
- 警報・避難情報(土砂災害警戒、洪水関連、避難指示など)
- 危険度の高い地域(どの地区が対象か)
- 川や斜面に関する注意喚起(自治体の発表が強い)
次に見る
- 避難所の開設・混雑・運用(ペット受け入れのルール含む)
- 道路の通行止め・交通情報(安全に移動できるか)
- 停電・断水(被害が広がると在宅避難が難しくなる)
豪雨は「ギリギリまで様子を見る」と、外が危険になって移動できないことがあります。ペットがいる場合は、“移動できるうちに動く”という判断が取りやすいよう、避難情報を早めに確認しておくと安心です。
犬猫の観点メモ
- 犬:外の散歩ができない、排泄の場所が限られることがあります。
- 猫:在宅避難が長引くとトイレやストレス対策が重要になります。
- どちらも、浸水が近いときはキャリーやケージの位置(高い場所へ)を意識しておくと安全側です。
停電・断水が起きたとき:「復旧見込み」と「生活の継続性」を見る
停電・断水は、地震や台風の“結果”として発生することが多いですが、ペットの生活に直結します。ここは「いま困っている」だけでなく、いつまで続きそうかが判断の鍵です。
まず見る
- 停電・断水の発生範囲(自宅周辺が対象か)
- 復旧見込みの目安(出ていれば確認)
次に見る
- 給水や支援の案内(自治体)
- 通信状況(情報が取りにくくなるため、手段を確保する)
- 避難所情報(在宅が厳しければ移動先の判断材料)
犬猫の観点メモ
- 室温が保てない、飲み水が確保できない、衛生が保てない場合は、在宅避難の継続が難しくなることがあります。
- 体調に異常がある場合は、無理に我慢せず、状況に応じて動物病院へ相談するほうが安全です。
“情報が更新されない/食い違う”ときの対処
災害時は情報が遅れたり、発信元によって表現が違ったりします。そんなときは次のように整理すると混乱が減ります。
- 同じカテゴリの一次情報で照合する(自治体同士、インフラ同士など)
- 発信時刻を見る(古い投稿・古い画面のスクショが残りやすい)
- 地域名(市区町村・地区)が一致しているか確認する
- 「断定」より「可能性」「見込み」を前提にする(状況は変わる)
特にSNSは「善意の拡散」でも、場所や時刻が違うと誤解が起きます。次章以降で、避難所ルールの探し方や、SNSの真偽チェック手順をさらに具体的に扱います。
この章で「災害別の見る順番」が決まると、発災直後でも迷いが減りやすくなります。次の第3章では、読者が最も詰まりやすい 「ペット同行避難・避難所ルールはどこで確認する?」 を、探し方の手順として整理します。
第3章:ペット同行避難・避難所ルールはどこで確認する?

災害時に多くの人がつまずくのが、「避難所は分かったけど、ペットはどうなるの?」という部分です。
結論から言うと、ペットの避難は“行ける/行けない”の二択ではなく、自治体や避難所ごとの運用ルールに沿って準備するのが現実的です。
ここでは、避難所ルールを確認するための“探し方”と、事前に確認しておくと安心なポイントを整理します。
まず大前提:「同行避難」と「同伴避難」は別物
言葉が似ているため混同されがちですが、考え方は分けておくと迷いにくくなります。
- 同行避難:避難所まで一緒に避難すること(原則として推奨される考え方になりやすい)
- 同伴避難:避難所の居住スペースにペットと一緒に滞在できること(地域や避難所で扱いが異なることがある)
つまり、「同行避難ができる」と聞いても、“避難所の中でどこにペットを置くか”は別問題になりやすい、ということです。ここを先に理解しておくと、現地で慌てにくくなります。
避難所ルールの確認は「自治体→避難所」の順で探す
ペットの受け入れルールは、まとめサイトよりも、基本的に自治体の案内(防災・避難所・ペット関連)にまとまっていることが多いです。探すときは、次の順番が分かりやすいです。
- 自治体の防災情報(避難所の開設・避難指示・避難所一覧)
- 自治体の“ペット防災”関連情報(同行避難の考え方、避難所でのルールの概要)
- 避難所の個別情報(体育館・公民館など施設単位の運用が書かれている場合)
もしページが見つからない場合は、頭の中で「避難所=防災」「ペット=衛生/環境/動物関連」など、担当部署が分かれている可能性を想定すると探しやすくなります。
「ペット可」と書いてあっても自由とは限らない
避難所情報で「ペット可」「ペット同行可」と見つけると安心しますが、そこで準備が止まると現地で困ることがあります。
多くの避難所では、周囲への配慮や衛生管理のために、次のような運用になることがあります(断定ではなく一般的な例です)。
- ペットは決められた飼養スペースで管理する
- ケージやキャリーに入れることが求められる
- 鳴き声やにおい、アレルギー配慮のために動線が分かれる
- 施設の事情で受け入れが難しい場合、別の避難所を案内されることがある
このため、避難所を調べるときは「ペット可か」だけでなく、“どんな条件なら受け入れ可能か”まで見に行くのが大事です。
事前に確認しておくと安心な項目(チェック観点)
避難所の運用は、災害規模や混雑で変わることがあります。それでも、事前に次の項目を押さえておくと、当日の迷いが減ります。
1)受け入れ可否と対象
- 犬猫の受け入れは想定されているか
- 大きさ・頭数に制限が書かれていないか(書かれていなくても現場判断になることはあります)
2)飼養スペース
- ペットはどこに置く想定か(屋内の一角/屋外/別室など)
- 人の居住スペースと分かれるか(同伴が可能かどうかの目安になる)
3)持ち物の前提
- キャリーやケージが必要になりそうか
- 排泄物の処理用品や消臭など、衛生面の持ち込みが求められそうか
- 水やフードは自己完結が前提になりそうか(災害直後は配布が間に合わないこともある)
4)健康・管理に関する確認
- 予防接種や健康状態の確認書類が求められる可能性(自治体の方針による)
- 咬傷事故や逃走を防ぐための管理(リード、首輪、迷子札など)
※ここは地域差が大きい部分です。書いていない場合でも、「念のため持っておくと困りにくい」という発想で準備すると安全側です。
犬と猫で“避難所で困りやすい点”が少し違う
避難所のルールは共通でも、犬猫の特性で困りやすい点が変わります。ここを事前に想定しておくと、現地でのストレスが減ります。
犬で起きやすい困りごと
- 鳴き声や興奮で周囲に気を遣う
- 散歩ができず排泄リズムが崩れる
- 人や他の動物に反応して落ち着かない
このため、犬の場合は「静かに過ごす工夫」「排泄の想定」「リード管理」が重要になりやすいです。
猫で起きやすい困りごと
- 環境変化が苦手で、隠れる・出てこない
- キャリーから出すと脱走リスクが上がる
- トイレ環境が変わると排泄を我慢しがちになることがある
猫の場合は「キャリー管理」「脱走防止」「トイレの確保」が特に重要になりやすいです。
平常時にやっておくと強い:「避難所の当たりをつける」方法
災害時に初めて調べると、回線が重い・情報が更新されない・焦って見落とす、が起きやすいです。平常時のうちに、次の2つだけでもやっておくと安心です。
- 自宅周辺の避難所を2つ以上リスト化(第一候補が満員・受け入れ不可の可能性に備える)
- 自治体のペット避難方針を一度読んで要点だけメモ(同行避難の基本・飼養場所・持ち物の傾向)
「全部を完璧に」ではなく、“当日ゼロから探さない状態”を作るのが目的です。
この章のポイントは、避難所情報を「ペット可かどうか」だけで終わらせず、運用ルールの“条件”まで見に行くことです。
次の第4章では、在宅避難の判断に直結しやすい 停電・断水などライフライン情報の見方と、事前にできる設定(危険な例を避けるコツ)を具体的に整理します。
第4章:停電・断水・ライフライン情報の見方

停電や断水は、地震・台風・豪雨など「原因になる災害」は違っても、起きてしまうと生活への影響が大きいトラブルです。犬猫がいる家庭では、室温・水・衛生が直結するため、ライフライン情報は「今どうなっているか」だけでなく、どれくらい続きそうか(復旧見込み)まで意識すると判断がしやすくなります。
ここでは、停電・断水の情報をどう追い、在宅避難を続けるか/移動を検討するかの判断材料を整理します。あわせて、留守番中のリスクを減らすための“事前にできる設定”も紹介します。
まず整理:停電・断水情報は「誰が出すか」で強さが変わる
停電や断水の情報は、発信元によって得意分野が違います。迷ったら、次の役割分担で考えるとブレにくいです。
- インフラ側の情報:停電・断水の発生範囲、復旧作業の状況、復旧見込み
- 自治体の情報:給水場所、支援、避難所運用、地域の注意点
- 報道(ニュース):全体像の把握、広域の状況、会見内容の要約
この章では「行動の判断」に使いやすいよう、在宅で困りやすいポイント(室温・水・衛生)に結びつけて見方をまとめます。
停電:犬猫に関わる“優先して確認すること”
停電は「明かりが消える」だけでなく、季節によっては室温管理が難しくなるのが大きな問題です。まずは次を確認します。
① 停電の範囲
- 自宅周辺だけなのか、広域なのか
- 周辺も停電しているなら、復旧まで時間がかかる可能性もある
② 復旧見込み
- 目安の時刻が出ているか
- 出ていない場合は、短時間で復旧する前提にしすぎない(安全側で準備する)
③ 室温リスク(季節で優先度が変わる)
- 夏:室温上昇が早い(特に日当たりの良い部屋)
- 冬:冷え込みが強い(床付近、窓際)
- 春秋:比較的耐えやすいが、台風後は蒸し暑さや寒暖差が出ることもある
犬猫の体調は個体差があるため、「少し変だな」と感じたら無理をせず、状況に応じて動物病院へ相談する判断が安全です。
断水:飲み水だけでなく“衛生とトイレ”が詰まりやすい
断水は、飲み水が足りるかだけでなく、トイレ・清掃・手洗いが難しくなる点が見落とされがちです。確認の順番はこうです。
① 断水の範囲と時間の目安
- どの地域が対象か
- 復旧見込みが出ているか(長引くほど衛生問題が増える)
② 給水や支援の情報
- 給水場所、時間、持参容器の有無など(自治体情報が強い)
- 移動が必要になる場合は交通情報とセットで考える
③ 在宅で詰まりやすいポイント
- ペットの飲み水
- トイレ処理(猫砂、シート、排泄物の密封)
- 食器の洗浄ができない場合の工夫(使い分け、拭き取り、衛生確保)
断水が長引くと、人もペットも衛生環境が崩れやすいので、「復旧が読めない」ときほど早めに生活の立て直しを考える材料になります。
“情報が更新されない”ときにやること
災害時はアクセス集中や現場混乱で、情報が更新されないことがあります。そんなときは焦って同じページを連打するより、次を試すと判断が安定します。
- 発信時刻を確認して、古い情報を引きずらない
- 同じカテゴリの一次情報で照合する(自治体/インフラ/気象など)
- 時間を置いて再確認する(更新間隔が長いこともある)
- “見込み”は変わる前提で準備する(復旧時刻がズレる可能性もある)
「更新されない=安全」ではないため、在宅の継続可否は“生活が回るか”で判断します。次の節で、その見極めの材料を整理します。
在宅避難を続けるか/移動を考えるか:判断材料の整理
停電・断水があるときの判断は、「不安だから」ではなく、条件で整理するとブレにくくなります。次の観点でチェックします。
在宅避難を続けやすい条件
- 室温が保てる(季節に応じて危険域になりにくい)
- 飲み水とトイレ処理の見通しが立つ
- 建物の安全性に大きな不安がない(倒れる物、浸水の恐れなど)
- 情報手段(スマホ、ラジオ等)が確保できる
移動(避難所・知人宅など)を検討しやすい条件
- 室温が危険側に傾いている(暑すぎる/寒すぎる)
- 断水が長引きそうで衛生維持が難しい
- 浸水や土砂など、場所自体の危険が増している
- ペットの体調に気になる変化がある(無理に我慢しない)
ここで大切なのは、「避難所に行く=正解」でも「在宅=正解」でもなく、状況に合わせて“変える”前提で考えることです。
平常時にできる“事前にできる設定”
停電や断水は、起きてから何とかするより、平常時の設定でリスクを下げるほうが効果が出やすいです。特に一人暮らしで留守番が多い場合は、次のような“仕組みづくり”が役立ちます。
1)室温の影響を受けにくい部屋づくり
- 直射日光が当たりにくい場所に、犬猫が落ち着けるスペースを作る
- ケージやキャリーの置き場所は、倒れやすい家具や窓際を避ける
- 夏は風通し、冬は床からの冷えを避ける工夫を意識する
2)水とトイレを“途切れにくく”する
- 給水が一箇所だけにならないように、普段から複数の置き方を検討する
- 猫はトイレ環境の変化がストレスになりやすいので、非常時の運用を想定しておく
- 断水時に洗えない前提で、食器や処理の方法を決めておく
3)情報と連絡の“置き場”を作る
- 自治体・気象・インフラの公式情報にすぐ行けるよう、スマホにまとめておく
- 連絡先(家族・知人・近隣・動物病院など)をメモ化して、停電時に見られる形にしておく
- 留守中に何かあったとき、第三者に状況を伝えやすくなる
やりすぎ・危険な例:善意でも事故につながりやすい
停電や断水対策は、良かれと思ってやったことが逆に危険になる場合があります。代表例を挙げます。
- 火器(ろうそく等)を安易に使う:転倒や火災のリスクがある
- 倒れそうな物を放置:余震や風で倒れ、ケガや逃走につながることがある
- 誤飲リスクのある物を散らかす:暗い中で犬猫が拾いやすくなる
- 密閉しすぎる:換気が悪くなり、体調や衛生面で問題が出ることもある
「安全のためにやったのに危険が増える」を避けるため、対策はシンプルに、事故リスクを減らす方向に寄せると安心です。
この章のポイントは、停電・断水の情報を「発生した/していない」だけでなく、復旧見込みと生活の継続性で判断することです。
次の第5章では、発災直後から避難までの流れを「飼い主の安全→ペットの確保→持ち出し→避難判断」の順で、パニックになりやすい場面のコツも含めて整理します。
第5章:発災直後〜避難までの行動

発災直後は、情報が多くて頭が追いつかない一方で、犬猫は環境の変化に敏感で、思わぬ行動を取りやすくなります。ここで大切なのは、完璧にやろうとすることよりも、順番を決めて、やることを減らすことです。
この章では、発災直後から避難までの流れを
「飼い主の安全 → ペットの確保 → 持ち出し → 避難判断」
の順に整理します。焦ったときほど、この順番に戻ってください。
ステップ1:まず飼い主の安全を確保する
ペットを守るためにも、最初に飼い主が動ける状態であることが前提になります。
- 揺れや暴風雨の最中は、無理に移動せず 頭・身体を守る行動を優先する
- ガラス・家具の転倒、落下物の危険がある場所から離れる
- 揺れが落ち着いたら、足元の安全(割れ物・段差)を確認して動く
ここで無理をすると、ケガでペットの確保ができなくなることがあります。「まず自分」は冷たさではなく、現実的な優先順位です。
ステップ2:次にペットを確保する(逃走・迷子を最優先で防ぐ)
発災直後に多いトラブルは、ケガより先に 脱走・迷子です。特に玄関や窓の開閉、避難準備のバタつきで起きやすくなります。
共通:確保の基本
- 玄関や窓を開ける前に、まずペットの位置を確認する
- 驚いているときほど、追いかけ回さず 落ち着いた声で呼ぶ
- 首輪・ハーネス・リード(猫はキャリー)など、確保に必要な道具を最短動線に置く
犬の場合
- まずリードを装着し、動ける状態にする
- 興奮しているときは、短い言葉で落ち着かせる(長い声かけより短い指示が通りやすい)
- 玄関を開ける前に、必ず犬を人の近くに置く
猫の場合
- 猫は驚くと「隠れる」「すり抜ける」「静かに脱走する」ことがあります
- まず戸締まり(窓・玄関)を確認し、猫の退路を作らない
- 可能なら早めにキャリーへ誘導し、無理に抱えて移動しない
- 隠れて出てこない場合は、部屋を静かにして、呼びかけと安全な誘導を優先する
猫は捕まえようとして追うほど逃げやすいことがあります。安全を確保できる部屋に閉じ込める→落ち着いて誘導の順が安全側です。
ステップ3:持ち出しは“全部”ではなく“最小”から
避難の準備は、最初から完璧にそろえようとすると手が止まります。発災直後は「持ち出し=最小セット」から考えます。
最小セットの考え方
- 今すぐ移動できる状態を作る(キャリー/リードが最優先)
- 次に 命に直結するもの(水、薬、最低限のフード)
- その次に 衛生・トイレ(シート、袋、猫砂の一部など)
「後で取りに戻れる」と考えたくなりますが、状況が変わることもあります。まずは “出られる状態” を作ってから、余裕があれば追加します。
ステップ4:避難判断は「危険の種類」で分岐させる
避難するか、在宅避難を続けるかは、気持ちではなく条件で考えるとブレにくいです。特に犬猫がいる場合は、「移動の安全」と「在宅で生活が回るか」をセットで見ます。
避難所へ向かう判断が強くなる状況
- 津波、土砂災害、洪水など 場所そのものが危険になっている
- 建物の損傷が大きい、倒壊や落下の恐れがある
- 室温が危険側で維持できない、断水が長引き生活が難しい
- 近隣で火災など二次災害のリスクが上がっている
この場合、持ち物が十分でなくても 「安全な場所へ移る」の優先度が上がります。
在宅避難を続けやすい状況
- 建物の安全が保てており、危険区域ではない
- 室温・水・衛生が一定保てる
- 交通状況が悪く移動の危険が高い
- ペットが移動で強いストレスを受けやすいが、在宅の安全が高い
在宅避難は「何もしない」ではなく、情報更新・安全確認を続けながら生活を回す避難形態です。状況が変われば、途中で避難へ切り替えることもあります。
パニック対策:犬猫を“捕まえる/運ぶ”コツ
焦ると、声や動きが大きくなり、犬猫もさらに不安になります。パニックになりやすい場面でのコツをまとめます。
共通のコツ
- 声量を上げるより、短く落ち着いた声を使う
- 動きを速くしすぎず、まず「逃げ道を塞ぐ」
- 家の中の人の動線を減らして、空間をシンプルにする
犬の誘導
- リードがついていないなら、まず装着を最優先
- 興奮しているときは、抱えようとせずリードで距離を管理
- いつもの合図(おいで、すわって等)を短く使う
猫の誘導
- 追いかけない、捕まえ損ねるほど脱走リスクが上がる
- キャリーは“追い込む道具”ではなく、“安全な避難先”として見せる
- 暗く狭い場所に入った場合は、無理に引っ張らず、出てくる導線を作って誘導する
- どうしても難しい場合は、猫の安全確保を優先し、落ち着ける部屋に隔離して扉を閉める
「避難所に行く/在宅避難」判断のためのミニ分岐
最後に、発災直後の判断を簡単に整理できる分岐を置いておきます。迷ったらここに戻ってください。
- Q1:自宅や周辺に“命の危険”が迫っている?(津波・土砂・洪水・火災など)
- はい → 安全な場所へ移動(避難所や高台など)
- いいえ → Q2へ
- Q2:室温・水・衛生が保てて、情報更新もできる?
- はい → 在宅避難を軸に様子を見る
- いいえ → Q3へ
- Q3:移動できる安全なタイミング/ルートがある?
- はい → 避難所や知人宅などへ移動を検討
- いいえ → 一時的に在宅で安全確保し、タイミングを待つ
ここに「ペットの状態(ストレス・体調)」も加味しますが、医療の判断は無理にせず、異常があれば状況に応じて動物病院へ相談するのが安全です。
この章のポイントは、発災直後に「全部やる」のではなく、順番を固定して“確保と安全”に集中することです。
次の第6章では、避難所・車中・知人宅など、避難先で起きやすい困りごと(鳴き声、トイレ、ストレス、周囲配慮、ルール)を、トラブル予防の視点で具体的に整理します。
第6章:避難所・車中・知人宅で困ることと対策

避難先では、災害そのものの不安に加えて「周囲の人がいる環境」「普段と違う生活」が重なります。犬猫にとっても刺激が多く、飼い主にとっても気を遣う場面が増えやすいです。
ここで大切なのは、我慢や根性ではなく、トラブルが起きやすい点を先回りして“減らす仕組み”を作ることです。
この章では、避難先を「避難所」「車中」「知人宅」に分けて、よくある困りごとと対策を整理します。どの避難先でも共通するのは、ルール確認・衛生・脱走防止・周囲配慮の4点です。
まず共通:避難先で起きやすい困りごと(全体像)
避難先でよく起きる困りごとは、だいたい次の6つにまとまります。
- 鳴き声・物音への反応(犬の吠え、猫の鳴き、夜間の物音)
- トイレ問題(場所がない、我慢、処理が難しい、におい)
- ストレス(食欲低下、下痢、落ち着かない、隠れる)
- 体調変化(持病、脱水、暑さ寒さ)
- 周囲への配慮(アレルギー、苦手な人、衛生面)
- ルールの違い(避難所ごとに運用が違う、受け入れ条件がある)
「うちの子は大丈夫」と思っていても、環境が変わると反応が出ることがあります。起きるかもしれない前提で準備しておくと、結果的に落ち着いて過ごしやすくなります。
避難所で困ることと対策
避難所は人が多く、音やにおいも普段と違います。ペット同伴では、特に「置き場所」「管理方法」「周囲配慮」がポイントになります。
1)ルールの確認(最初にやること)
- 受付時に「ペットの飼養場所」「移動ルール」「トイレ処理」「散歩の可否」などを確認する
- 不明点があれば、自己判断で動かず、まずスタッフに相談する
- 「ペット可」でも、同伴の範囲や居住スペースの扱いは避難所により違うことがある
最初にルールを押さえるだけで、後のトラブルが減りやすいです。
2)鳴き声・周囲配慮
- 犬の吠えは「興奮・不安・警戒」から起きやすい
- 猫は「怖い・慣れない」から鳴く/固まることがある
- 可能なら、人の動線の多い場所を避け、落ち着ける向き(壁側など)に配置する
- 飼い主の声かけは大きくしすぎず、短く落ち着いたトーンを意識する
周囲の人も不安な状況なので、「先に配慮しておく」ほうが気まずさを減らせます。
3)トイレ・におい・衛生
- 犬は排泄のタイミングが崩れやすく、猫は環境が変わると我慢しやすいことがある
- 排泄物は密封して処理し、においが残りにくいようにする
- トイレ用品が足りないときほど「処理を簡単にする運用」が必要になる
- 手指や周辺の衛生が保てないときは、できる範囲で清潔を保つ工夫をする
排泄の我慢が続く、食欲が大きく落ちるなどの異変がある場合は、無理をせず状況に応じて動物病院へ相談するのが安全です。
4)脱走防止
避難所は出入りが多く、想像以上に脱走が起きやすい環境です。
- 犬はリードを外さない(短く持つ、首輪の緩み確認)
- 猫はキャリーの管理が最優先(開けるタイミングを限定する)
- 人の出入りが多い時間帯は、特に注意して動線を確保する
- 迷子札やマイクロチップの情報が最新かどうかを、平常時に確認しておくと安心材料になる
車中避難で困ることと対策
車中避難は、周囲への影響は減らしやすい一方で、温度管理・換気・トイレが難しくなりやすいです。特に犬猫は体温調整が得意ではない場合もあるため、季節の影響を強く受けます。
1)温度管理(最重要)
- 夏:車内温度が上がりやすい
- 冬:冷え込みやすい
- 直射日光や冷気の影響を受けにくい場所に停車する
- 換気と安全を両立させる(不用意に開放しすぎない)
車内で体調に異常が出た場合は、我慢させず、安全を確保した上で専門家に相談するのが安全です。
2)換気・におい
- 閉め切りはストレスと衛生の問題が出やすい
- 周囲の安全を確認しながら、短時間でも換気を入れる工夫をする
- におい対策は「発生させない(密封・処理)」が基本
3)トイレ
- 犬は散歩が難しい状況を想定し、排泄の場所・処理を事前に決めておく
- 猫はトイレの設置場所が確保できるかが鍵(揺れやすい場所は避ける)
- 車内での誤飲や散らかりを防ぐため、用品は整理して置く
4)安全(誤飲・脱走・事故)
- ドアの開閉時に飛び出しやすい(犬猫共通)
- 猫はすり抜けが起きやすいので、開閉のたびに位置を確認する
- 車内に誤飲しやすい物を置かない(暗いと拾いやすい)
知人宅・親族宅で困ることと対策
知人宅は、避難所より落ち着ける場合もありますが、相手の生活や住環境に配慮が必要になります。事前に条件を確認できるなら、ポイントを押さえておくとスムーズです。
1)受け入れ条件のすり合わせ
- ペットの滞在場所(部屋を分けるか、ケージ内か)
- 鳴き声・においへの配慮(時間帯、換気、清掃)
- アレルギーや他のペットがいる場合の動線
相手も不安な中で受け入れることが多いので、最初に「どう過ごすか」を決めておくと安心です。
2)脱走防止
- 家の構造が違うと、猫は特に逃げ道を見つけやすい
- 玄関・窓・ベランダなど、脱走ポイントを先に確認する
- 可能なら最初は一部屋に限定して慣らす
3)トイレと衛生
- 知人宅のトイレやゴミの扱いは、避難所よりルールが個別になる
- 排泄物の処理方法を確認し、においが残りにくい運用をする
- 食器や床の汚れを最小化する工夫(置き場所や拭き取りの準備)を考える
「最低限のマナー」と「トラブル予防」のまとめ
避難先でのトラブルは、ペットの問題というより 環境とコミュニケーションの問題になりやすいです。最低限として次を押さえると、揉め事を減らしやすくなります。
- まず ルール確認(避難所/知人宅の運用に合わせる)
- 脱走防止を最優先(犬はリード、猫はキャリー管理が軸)
- 排泄物は 密封して処理し、衛生を保つ
- 鳴き声やにおいは “出てから対処”より“出にくくする工夫”
- 体調に異変があれば我慢させず、安全を確保した上で動物病院へ相談する
この章のポイントは、避難先の種類が違っても、困りごとは「温度・トイレ・脱走・周囲配慮」に集約されやすいことです。
次のまとめ章では、重要ポイントを5つに要約し、今日からできる行動を「10分/30分/週末」の3ステップで整理します。
まとめ

ここまで、「ペット防災の情報はどこを見る?」という不安に対して、信頼できる情報源の優先順位と、災害別の“見る順番”、避難までの動き方、避難先で困りやすい点を整理してきました。
最後に、特に大事なポイントを5つにまとめ、今日から動けるように3ステップで行動案を置きます。
重要ポイント5つ
1)迷ったら「一次情報」を先に見る
自治体・公的機関・気象・インフラなど、判断や復旧を担う側の情報を先に確認すると、行動がぶれにくくなります。二次情報やSNSは補助として使うと安心です。
2)災害別に「まず見る→次に見る」を固定する
地震は津波・避難、台風は気象→避難→停電断水、豪雨は危険度の上がり方…というように、災害の特性に合わせて見る順番を決めておくと、発災直後の迷いが減ります。
3)避難所は「ペット可か」だけでなく“条件”まで確認する
同行避難と同伴避難は別物になりやすく、避難所ごとの運用ルールで困る場面が多いです。受け入れ方法、飼養スペース、持ち物の前提、衛生や管理のルールまで確認しておくと安心材料になります。
4)停電・断水は「どれくらい続きそうか」で判断が変わる
在宅避難を続けるかどうかは、室温・水・衛生が保てるかと、復旧見込みの情報が鍵になります。「更新されない=大丈夫」とは限らないため、複数の一次情報で照合するのが安全側です。
5)発災直後は「自分の安全→ペット確保→最小持ち出し→避難判断」の順
焦るほど抜けやすいのが順番です。脱走・迷子を防ぐため、犬はリード装着、猫はキャリー管理を軸に「まず確保」を優先し、持ち出しは最小セットから考えると動けます。
今日からできる行動:3ステップ(10分/30分/週末)
【10分】スマホに「公式情報の置き場」を作る
- 自治体(防災・避難所)
- 気象(警報・台風・豪雨)
- 停電・断水などライフライン
この3つは、すぐ見られる場所にまとめておくと、災害時の検索迷子が減ります。
【30分】避難の当たりをつける
- 近所の避難所を2つ以上メモ(第一候補がダメな場合に備える)
- 「ペットの受け入れ」と「同行避難の考え方」を一度だけ読んで、要点を短くメモ
全部覚える必要はありません。“当日ゼロから探さない状態”を作るのが目的です。
【週末】「避難までの動き」を一度だけ練習してみる
- 犬:リード装着→落ち着かせる→玄関を開ける前に確保
- 猫:戸締まり確認→キャリーへ誘導→開閉時のすり抜け対策
- 最小持ち出し(移動手段+水+薬+トイレ処理)を一度並べてみる
短時間でも、手順を一度体験しておくと、いざという時に体が動きやすくなります。
災害時に完璧を目指す必要はありません。
「見るべき情報の順番」と「動く手順」が決まっているだけで、焦りはかなり減ります。あなたと犬猫が落ち着いて行動できるように、今日できるところから整えていきましょう。
チェックリスト
※一人暮らしで犬猫と暮らす方向けに、「見るべき情報」と「確認・準備」をまとめたコピー用チェックリストです。
□にチェックを入れながら進める想定で作っています。できるところからでOKです。
【平常時】(ふだんのうちに整える)
■ 公式情報の“置き場”を作る
□ 自治体の「防災・避難情報」をすぐ開けるようにしてある(ブックマーク/メモ)
□ 自治体の「避難所一覧」をすぐ見られるようにしてある
□ 自治体の「ペット同行避難・避難所でのルール」のページ(または案内)を一度確認した
□ 気象情報(警報・台風・豪雨など)を確認できる場所を決めた
□ 停電・断水などライフラインの情報を確認できる場所を決めた
□ 交通情報(通行止め等)を確認できる場所を決めた
□ 迷子・保護情報に関わる窓口(自治体・保健所・動物愛護関連など)を確認できるようにした
■ “見る順番”を決めておく
□ 迷ったら「一次情報(自治体・気象・インフラ)」から見る、と決めた
□ SNSは補助情報として扱い、発信元と日時を確認する、と決めた
□ 災害別に「まず見る→次に見る」をメモした(地震/台風/豪雨など)
■ 連絡と身元の確認
□ 緊急連絡先(家族・知人・近隣)をすぐ見られる形で残した
□ かかりつけの動物病院の連絡先をすぐ出せる
□ ペットの写真(全身+顔)をスマホに保存してある(迷子時に使える)
□ 迷子札の記載内容(電話番号等)が最新になっている
□ マイクロチップ登録情報(住所・連絡先など)が最新か確認できる
【警報・注意報が出た時】(台風・豪雨・地震後など)
■ まず見る(危険の把握)
□ 気象情報(警報・注意報、雨量、台風の進路など)を確認した
□ 自治体の避難情報(避難指示など)が出ていないか確認した
□ 危険区域(浸水・土砂など)の対象に自宅周辺が入っていないか意識した
■ 次に見る(生活の継続性)
□ 停電・断水の可能性や最新状況を確認した(ライフライン情報)
□ 交通情報(通行止め、運休など)を確認した(移動の可否のため)
□ 避難所の開設状況を確認した(候補を2つ以上想定)
■ ペット対応(短時間でできる範囲)
□ 玄関・窓など脱走しやすい場所の開閉に注意する、と決めた
□ キャリー/リードがすぐ取れる場所にある
□ 最低限の持ち出し(移動手段+水+薬+トイレ処理)をまとめられる状態にした
□ 置き餌や給水を増やす場合、誤飲や倒れやすさを確認した(危険な置き方は避けた)
【発災直後】(揺れた/停電した/避難の判断が必要)
■ 行動の順番(迷ったらこれに戻る)
□ ①飼い主の安全確保(頭・足元・落下物)を先に行った
□ ②ペット確保(脱走防止)を優先した
□ ③最小持ち出し(移動手段+水+薬+トイレ処理)を作った
□ ④避難判断(危険区域/建物/ライフライン)を確認して決めた
■ まず見る(命に直結する情報)
□ 自治体の避難情報(避難指示など)を確認した
□ 地震なら津波の有無や注意喚起を確認した(沿岸部の場合は特に)
□ 豪雨なら土砂・洪水などの危険が上がっていないか確認した
■ 次に見る(在宅か移動かの判断材料)
□ 停電・断水の範囲と復旧見込みを確認した(出ていれば)
□ 避難所の開設状況と、ペットの運用ルールを確認できる範囲で確認した
□ 交通情報(移動の可否)を確認した
■ SNSを見る場合の安全確認
□ 発信元が公式・報道・自治体関係かを確認した
□ 日時と地域名が自分の地域と一致しているか確認した
□ スクショや転載だけの情報は、一次情報で裏取りする前提にした
犬猫共通(最低限)
□ キャリー/ケージ/リード等、移動・管理の手段がすぐ使える
□ 水(飲み水)が確保できる見通しがある
□ トイレ処理(袋・密封・拭き取り)を最低限できる
□ 脱走防止(玄関・窓・開閉時のルール)を決めている
□ 体調に異変があれば無理をせず、状況に応じて動物病院へ相談する判断を持つ
犬だけ(必要なら)
□ リード・首輪(ハーネス)の緩みを確認できる
□ 興奮時に落ち着かせる短い声かけ(合図)を決めている
□ 散歩が難しい状況での排泄の代替案を想定している
□ 避難所での周囲配慮(鳴き声・距離感)を意識できる
猫だけ(必要なら)
□ 猫は基本「キャリー管理」を軸にする、と決めている
□ 玄関・窓の開閉時は猫の位置確認をしてから動く
□ 隠れて出ない時は追いかけず、まず安全な部屋に隔離して落ち着かせる
□ トイレ環境が変わるストレスを想定し、最低限の運用を考えている



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